例えば、カーポートはアルミと樹脂板がメインの素材。もちろん、工場で生産されます。
門扉やフェンスもアルミが多く、これも工業製品です。
それではエクステリア・外構は工業製品だけを設置して出来上がるかと言うと、そうではありません。
様々な素材を使って構成し、温かみのある楽しい空間を演出することが大切なのです。
今回ご紹介する「石・庭石」は天然素材の代表の1つです。
庭づくりにおいて、外構や造園の様々な部分で使われます。
全体的な庭づくり・外構工事のデザインを良くするためには、石の工事についても知っておくことが大切です。
そこで、ここでは「石の工事」に焦点を当てて紹介したいと思います。

庭における造園・石工事とは
石張りとしての石材
石張りは地面に平板状の石材を張る工事、イメージとしては石畳に近いものです。
よくアプローチなどに使われます。
石張りの種類としては、長方形の形の石など、形状をきちんと出した物、あるいはバラバラな形のもの、つまりランダムな形状に分かれます。
正方形や長方形などは整然と並べられてシャープな雰囲気を出しますし、ランダムな形の物は洋風、あるいは和モダンな雰囲気作りに使われます。
また、石は色調も重要な要素です。
グレーを基調とした物、テラコッタの雰囲気を持つ物など様々なので、組み合わせによって和風・シック・洋風なイングリッシュ風など、異なった味わいを持たせることが可能です。
他にも、石張りは並べるだけでは無く、飛び石として使われることもあります。
中庭に簡易的なアプローチを作るパターンですね。

オブジェ・景石・庭石としての石材
これは特に和風庭園において使われる物です。
良い例として、庭石や石灯篭などが挙げられます。
庭石や石灯籠と聞くと、例えば旅館の様な規模の大きな庭にのみ使われると思われるかも知れませんが、決してそんなことはありません。
住宅の庭に設置することで、味わい深い庭になります。
例えば、庭石と植栽を組み合わせれば、ちょっとした和風庭園コーナーを庭の一部に設けることが可能です。
敢えて和モダンにする場合などでも雰囲気作りに使えます。
デザインに意外性を持たせる場合などにも良いでしょう。
造園・石工事の種類

石を張る工事
まず挙げられるのは「石を張る工事」です。
主な物には地面に敷石を並べる工程が挙げられます。
工事の流れとしては、地面を整地して石を並べ、埋め戻したりモルタルの様な物で固定したりします。
この工事は単に石を並べるだけの様に思えるかも知れません。
しかし、それほど簡単な工事ではありません。設置には傾きなどの精度が必要なのです。
例えば、工事を適当にするならば、石張りに段差や隙間が発生したりします。
また、配置を考えながら施工しない場合には、偏った配置になってしまい、外観が悪くもなり得るのです。
石を置く工事
次に「石を置く工事」です。
主な物としては庭石・景石などのオブジェ的な物の工事が挙げられます。
この工事も単に「置くだけの工事」に思えるかも知れませんが、簡単な物ではありません。
石は重いから危険です。つまり、倒れたら大変なことになるということです。
仮に工事に精度が欠けていたりすると、傾いてしまったり、ガタついてしまって、台風や地震の際に転倒してしまう場合があるからです。
そうなっては命の危険が伴います。
必ず石工事は造園屋さんなどプロの業者に依頼しましょう。
また、石工事は人力では困難です。
石の大きさは様々ですが、簡単に持ち上がる重量ではありません。
そうなると機械やクレーンが必要となり、工事も大変で危険な作業になるのです。

造園・石工事料金の構成

石張りなどの相場
石張りの工事は単に石を張っていく工事では無く、整地の工事や残土の処分なども必要なので、それだけ工賃が発生してしまいます。
また、石の種類や産地(国産・海外産)によっても費用が異なるので、予算管理には注意をしなければなりません。
価格の目安として出すのは、石を敷き詰めるのか、間隔をあけるのかで変わるので難しいのですが、幅を持たせて言うならば平米価格で5000円~3万円が相場となります。
なお、1つ1つの石が大きければ価格が高くなるとは限りません。
反対に、小さい石を敷く場合の方が、敷く手間賃が多く掛かってしまうため、返って費用が発生するケースもあるからです。
まずは、ご希望の石を敷くイメージを具体化し、業者にそれを提示したうえで見積りしてもらうのがベストです。
庭石・景石などの相場
庭石・景石などは個数と大きさでカウントされます。
石の大きさと、その石の個数を前提に、1日に何人で何個の石を設置できるのかで価格を計算する流れとなります。
庭石・景石はクレーン車やチェーンブロックが必要な場合もあります。
石は重く、人力で移動することは困難だからです。
ですから、費用の管理に当たっては設置する石の大きさと個数を出しておくことが必要です。
価格の目安は、50~70㎝レベルの景石を基準にすると、設置費用が1~3個で3~5万円くらいが相場となります。
ただし、石は種類や産地によっても価格が異なるので、どの様な石を設置するかについても、事前に考えておくことが大切です。
ちなみに石そのものの価格ですが、小さい物では数千円の物から、100万円を超える高級な物まであります。
造園・石工事の費用を安く抑えるコツ

造園会社を選ぶ
石や景石・庭石も会社によって価格が違います。
これは仕入れ力による物です。
例えば景石・庭石を自前で持っている会社は一番安いですし、それを仕入れている場合は当然その景石・庭石にマージンが乗っかるので高くなります。
造園業界No.1のチェーン店
217
店舗
施工実績
20
万件


石を施工する上での注意点
ここでは、石を使う上での注意点を挙げてみましょう。

石は段差が出来やすい
石は石の加工の種類によってはフラットに張ることも可能なのですが、バラバラの大きさの石を設置したい、置き方によっては段差が出来てしまいます。
そのため、お年寄りなどの居る家の場合は張り方についても考えなければなりません。
石に仮につまずいて転倒した場合に手をついた先が石だったりすると、手の骨折などの危険性も出て来るのです。
ですから、生活する人の状況を最初にチェックすることが大切です。
隙間が発生することもある
お年寄りの生活する家の場合、石を使う場合には並べ方にも注意をしなければなりません。
石を並べた場合、石と石に隙間が発生し、杖などが引っ掛かってしまう恐れがあるからです。
石の張り方に注意をして、安全に庭を作ることが大切です。
雨などで濡れた場合
石によっては濡れた時に滑りやすくなる物があります。
それらを外構部分に設置するとスリップしやすくなるため危険です。
石は確かに美しい素材なのですが、間違って使うと隠れていた危険性が現れてしまいます。
安全性を第一に考えて石の配置を検討しましょう。
