エクステリア製品の中でも非常に人気のあるウッドデッキですが、どれを選んだら良いか分からない人も少なくないと思います。

と言うのも、ウッドデッキは多くのメーカーが製品化しているからです。

また、素材についても聞きなれない用語も見つかります。
例えば、「人工木」とはどのようなものか疑問に思った人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は代表的なエクステリアメーカーを取り上げ、各社の出しているウッドデッキを紹介します。

また、併せてウッドデッキを実際に設置時に確認すべきことを解説しましょう。

主なウッドデッキのメーカー

主なメーカーのウッドデッキと価格相場

ウッドデッキを製造・販売している企業は非常に多くあります。

巨大資本とも呼べるメーカーから、地元密着の会社まで非常に様々です。

そのため、メーカー全部のウッドデッキを網羅することはできません。
ただ、代表的なメーカーの傾向を掴めば製品の概要と価格相場を掴むことは可能です。

そこで、ここでは以下の企業のウッドデッキを取り上げ、会社と製品について紹介します。

①LIXIL(株式会社LIXIL)
②三協アルミ(三協立山株式会社)
③YKK AP(YKK AP株式会社)
④四国化成(四国化成建材株式会社)
⑤タカショー(株式会社タカショー)

順番に解説していきます。

LIXILについて

まずはLIXILについて紹介します。

LIXIL(株式会社LIXIL)とはどんな会社か

LIXIL(株式会社LIXIL)は国内最大の住宅関連機器のメーカーです。

以前はサッシをはじめとした住宅建材メーカーでしたが、事業を拡大し、M&Aなどによって今の会社になっています。

エクステリア製品としては製品レベルと品質においてトップクラスで、ウッドデッキに関しても信頼性の高い製品を投入しています。

ウッドデッキの製品には「デッキDC」と「デッキDS」の二種類があります。
双方とも人工木のウッドデッキです。

人工木は樹脂と木をブレンドした材料でひび割れをはじめとした天然木の弱点をカバーする高性能の素材です。

デッキDCの価格相場

デッキDCの最大の特徴はデッキ材の「熱の伝わりにくさ」です。

デッキ材の表面は熱くなることが少なく、快適に過ごせます。

これは独自の独立気泡構造によるものです。
一般的な人工木に比べて温度上昇の幅が低く、天然木のように熱さを感じません。

また、デッキDCは出隅や入隅、そして隅切り納まりにも対応が可能です。

価格は広さによって変わりますが、最小サイズで15万円程度からになります。

デッキDSの価格相場

デッキDSの特徴はヴィンテージ感のある点です。

人工木は木粉と樹脂を混合して製造されますが、デッキDSはこの樹脂の配合を工夫することによって自然な風合いを出しています。

また、表面加工もリアルさを追求し、天然木のような味わいを再現しています。

床板カラーも3種類用意されているので、他のエクステリアとのコーディネートも容易にできるでしょう。

また、広さによって価格は違いますが、15万円程度からです。

三協アルミについて

三協アルミ(三協立山株式会社)とはどんな会社か

三協立山株式会社はサッシやエクステリアを中心に製造・販売する会社です。

この会社の強い点はアルミの加工技術と商品開発力です。
様々な先進的な製品を市場に投入しています。

三協立山株式会社は元々が三協アルミニウム工業株式会社と立山アルミニウム工業株式会社というアルミ建材の会社が合併した会社です。
そこにタテヤマアドバンス株式会社が加わることで今の体制になりました。

その中で建材事業を受け継ぐのが三協アルミ社です。アルミ建材においては国内シェア3位を誇ります。
三協アルミと立山アルミの創業者は実の兄弟です。
両者の合併は強い部分を補い合った結果、と言えるかも知れません。

なお、ウッドデッキの商品は「ヴィラウッド」です。

ヴィラウッドの価格相場

ヴィラウッドの特徴はデッキ材です。

人工木ですがカラーは9種類から選ぶことが可能で、家屋のデザインに合わせて選べます。

デッキの構造は3種類です。
デッキ材をまわす幕板でデッキの外観を変えています。

また、ヴィラウッドには高強度のタイプがあります。
床の強度が鉛直荷重にして2900N/㎡ですので、豪雪地域でも安心です。

なお、価格は大体12万円からです。

YKKAPについて

次にYKKAPを紹介します。

YKKAP(YKK AP株式会社)とはどんな会社か

YKK APはファスナーなどを製造するYKKのグループ企業で、主な事業がアルミ製の建材の製造・販売です。

この会社の強い点はアルミの加工技術です。
サッシで培った技術をエクステリアにも使っています。

また、YKK APでは全国規模のショールームを展開し、実際に製品に触れてユーザーが確認できる体制を整えています。

なお、YKK APのウッドデッキは「リウッドデッキ」です。

リウッドデッキの価格相場

リウッドデッキは廃プラスチックを利用している点が特徴です。

環境にやさしいだけでなく、品質は非常に高いレベルです。

実際、10年を経た段階でも色褪せがほとんど無く、天然木のデッキよりも長く使えます。

また、リウッドデッキは高さのバリエーションが多く、高低差を含めた敷地の条件にフレキシブルに対応が可能です。

価格は約15万円程度からとなります。

四国化成について

次に四国化成のウッドデッキについて解説します。

四国化成(四国化成建材株式会社)とはどんな会社か

四国化成は化学品や建材を扱う会社です。

エクステリアはその内の1つの部門として事業を展開しています。

製品としては高級感の溢れるものが多いです。

また、住宅用のエクステリアもさることながら、公共用のエクステリアにも強みを持っています。

公共用のエクステリア製品は使用頻度などの条件で住宅用よりも厳しいケースが少なくありません。

四国化成のエクステリア製品は、そのような厳しい条件を耐えている一級品とも言えるでしょう。

ウッドデッキとしては「ファンデッキ」という商品があります。

ファンデッキ

ファンデッキの特色は、耐候性の高い人工木のデッキ材と細かい部分にまで配慮した設計と言えます。

幕板部分をきれいに納めてある点や、猫などが入らないような構造も作っている点が嬉しい点です。

また、3500N/㎡に耐える高強度のタイプもあり、豪雪地域への対応も可能としています。

価格は11万円くらいからです。

タカショーについて

次にタカショーのウッドデッキについて解説します。

タカショー(株式会社タカショー)とはどんな会社か

タカショーはガーデニング用品を扱う、環境エクステリアに強みを持つ会社です。

また、ガーデン用製品は輸出入まで展開しており、ガーデニング先進国のノウハウを培っています。

タカショーは他のエクステリアメーカーのような巨大資本までは持っていません。

しかし、造園に関するノウハウを持っているため、他の会社とは違った提案をしてくれます。

なお、タカショーは人工木と天然木のウッドデッキ、両方を製品として持っています。

人工木材デッキ

タカショーの人工木ウッドデッキは「エバーエコウッドリアル」と「エバーエコウッドⅡ」の2種類です。

特徴は表面温度の上昇を抑えるデッキ材で、安全性に配慮されています。

また、このデッキ材は廃木材と廃プラスチック材を使った素材で、環境を考慮した素材とも言えるでしょう。

他にも、デッキ材に白を持っている点も特徴で、オリジナリティ溢れる商品となっています。

価格は10万円くらいからです。

天然木材デッキ

タカショーの天然木材デッキは他のウッドデッキと異なり、炭化木材を使用しています。

製品は次の3つがメインです。

①タンモクウッド(国産の木材を炭化処理した素材)
②タンモクアッシュ(ハードウッド系の木材を高温処理した素材)
③ロアウッド(ニュージーランド産のラジアタパイン材を化学処理した素材)

いずれも高性能の素材で、高いレベルのウッドデッキを構成します。

なお、価格は素材によって異なります。

ウッドデッキを設置するときの注意点

ウッドデッキを設置するときの注意点

ところで、ウッドデッキを設置する際にはメーカー選びの他にも注意すべき点があります。

ここでは設置の際の主な注意点を挙げてみましょう。

施工業者選定

ウッドデッキは施工業者の選定も非常に重要です。

では、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

施工技術

施工技術は重要な条件です。

仮に施工技術が足りない場合、現場に対応しきれずに不具合を発生させてしまいます。

その一方で、技術の高い業者であれば難しい納まりにも対応することでしょう。

施工技術は口コミ情報や過去に対応した現場例で分かることが多いです。

業者を選ぶ際にはチェックしましょう。

施工費用

施工費用は業者によって違います。

これは抱える職人や工作機器の違いなどから発生するものです。

また、製品によって施工性が違う場合があるので、製品で施工費用が変わる場合もあります。

施工費用は複数の業者から相見積もりを取ってチェックすべきでしょう。

アフターサービス体制

ウッドデッキはメンテナンスが必要な製品です。

そのため、アフターサービス体制がしっかりしているかも確認項目となります。

業者によって対応してくれる期間が異なるので、業者選びの際には確認しましょう。

素材選び

ウッドデッキは「人工木」「ソフトウッド」「ハードウッド」の3つの素材があります。

それぞれに特性があるので、設置の際には確認しておかなければいけません。

では、3つの素材はどのように違うのでしょうか。

人工木

人工木は天然木材を粉砕した素材とプラスチックをブレンドした素材です。

木材の風合いとプラスチックの安定性などを兼ね備えています。

メリットとしては、シロアリ、カビ、ささくれ、割れの発生に強い点で、デメリットはコストの高さです。

そして、この特性から大手メーカーのウッドデッキは人工木を使用しています。

なお、人工木にも改良が加えられています。

LIXILのデッキDCが良い例で、表面が熱くなりにくなっています。

ソフトウッド

ソフトウッドはスギやマツをはじめとする針葉樹で、柔らかくて軽くコストが抑えられる点が特徴です。

ウッドデッキとしても広く使われている素材ですが、カビや腐りなどが発生しやすいので、定期的な塗装をする必要があります。

ソフトウッドは加工性が良いので、DIYでウッドデッキを作るならばソフトウッドを選ぶことになるでしょう。

ハードウッド

ハードウッドは広葉樹です。

樹種としては、ウリンやセランガンバツなどがあります。

特徴としては固くて強い点です。

ウッドデッキとして組み立てると頑丈になり、非常に長い期間の使用が可能です。

ウッドデッキを設置する前に確認すべきこと

ウッドデッキを設置する前に確認すべきこと

ウッドデッキのネットでの記事を読むと「設置して後悔した」という内容のものが意外にあります。

その中には事前の確認不足による後悔が少なくありません。

そこで、ここではウッドデッキを設置する前に確認すべきことを取り上げましょう。

設置の目的

まずは設置の目的です。

ウッドデッキはユーティリティスペースとして使えますが、目的によって仕様を変えなければいけない場合があります。

例えば、知人を呼んでのホームパーティーや家族との食事の場合など。

一般の料理であればウッドデッキでも問題はありませんが、バーベキューのような火炎を使う目的では望ましくはありません。
火に強いタイルデッキの方がベターです。

このように、設置の目的を確認しておかないと目的に合わない場合もあります。

配置・広さ

配置や広さも重要です。

特に、隣地境界との位置関係は注意をすべきでしょう。

例えば、ウッドデッキで読書を楽しんでいる場合に、隣家から丸見えだと落ち着いて読書もできません。

また、敷地に対して広すぎると庭が狭くなったように思えてしまいます。

ウッドデッキの広さを決める際には敷地の広さも勘案すべきです。

予算

予算も最初に確認しておきましょう。

予算を考える上で重要なのは「余裕」です。

あまりにギリギリで作ってしまうと、仮に不具合が発生した時に対応できなくなるからです。

例えば、誤った使い方をして破損した場合など、修理が有償になることもあります。

そのような場合に修理費用が出せないと、状況によっては破損した状態で放置されるかも知れません。

オプション品

オプション品も設置前から考えておくべきです。

例えばフェンスやステップは、小さい子供がいるならば転落防止のために欲しいアイテムです。

しかし、オプションとなっていることから、意外に忘れられているケースがあります。

設置前に使用目的までチェックし、オプション品の必要性も確認するべきでしょう。

メンテナンスの方法と頻度

メンテナンスの方法と頻度はウッドデッキの構成素材によって異なります。

ランニングコストを考えなければいけないので、設置前の確認は不可欠です。

良い例が塗装で、天然木の場合は定期的に行わないとカビをはじめとする不具合が発生します。

そして、メンテナンスを業者に頼めば費用が必要です。

その点、人工木であればカビなどのリスクはほとんどありません。

天然木ほどのメンテナンスは必要ないので、ランニングコストは抑えられます。

ウッドデッキの費用は初期予算だけでなくランニングコストも計算に入れなければいけません。

発生し得る不具合を想定しておく

天然木のウッドデッキはトラブルの発生確率が高いです。

そのため、トラブルの予防と対処のためにも、発生し得る不具合と対処方法についても事前に知っておいた方がベターです。

ここでは、よく見られるウッドデッキの不具合と対処方法を挙げてみましょう。

色褪せ

色褪せは天然木のウッドデッキで起こる顕著に発生するトラブルです。

原因は太陽光に含まれる紫外線のため、予防することはできません。

対処の手段としては定期的な塗装となります。

概ね3~5年に1度と言われますが、地域や条件によって色褪せのスピードが異なります。

条件の厳しい地域では、早めの対処が必要となるでしょう。

なお、人工木では色褪せは天然木のようには進みませんが、条件によっては起こり得ます。

樹脂木用の塗料で抑制が可能なので、状況に合わせて使いましょう。

ささくれ

天然木のウッドデッキはささくれが発生する場合があります。

ささくれは時にはケガの原因にもなるので注意が必要です。

対処としてはサンドペーパーなどで削ると良いでしょう。

ひび割れ

天然木のウッドデッキはひび割れが発生する場合があります。

原因となるのは部材の締結部分で、特にネジで止めた部分が多いです。

木は湿度などで伸縮するのですが、ネジは伸縮しないので、その部分から割れが発生するのです。

対処としてはネジ止めの際に下穴を開けて止めることや、パテ埋めなどによる修繕があります。

ちなみに、木は劣化が進むとひび割れが発生しやすくなります。

定期的な塗装を行えば劣化のスピードを抑えられるので、ひび割れの予防として有効です。

腐り

天然木では条件が悪いと腐ってしまうことがあります。

特にソフトウッドは環境が悪いと腐るケースが多いです。

対処としては定期的な塗装が挙げられます。

また、腐りにくいハードウッドや人工木を選ぶのもおすすめです。

シロアリ被害

ウッドデッキはシロアリ被害に遭う場合があります。

特にシロアリは腐った木とジメジメした環境を好むため、設置場所とメンテナンスの状況によっては発生確率が上がります。

対処としては防蟻効果のある塗装の使用、最初からシロアリの付きにくいハードウッドや人工木のデッキを選ぶことが挙げられます。

カビ対策

天然木のウッドデッキはカビが生えることがあります。

これはメンテナンスをせずに放置している場合が多いです。

カビの対策としては、防カビ剤を配合した塗料の使用が挙げられます。
仮に生えてしまった場合には、表面をサンドペーパーなどで削って対処をしましょう。

人工木も条件が悪いとカビの害を受ける場合があります。
この場合は市販のカビ取り剤での掃除がおすすめです。

雑草対策

ウッドデッキのデッキ材の下から雑草が生えて来る場合があります。

この雑草はデッキ裏ということもあり、処理が簡単ではありません。

また、雑草の種は風に乗って来るので防ぐのは非常に厄介です。

そのため、対処はデッキ裏をコンクリートで舗装するのがおすすめです。

防草シートを張るのも良い手段ですが、耐用年数が舗装ほどではないので、コンクリート舗装の方が良いでしょう。

猫対策

ウッドデッキの下に猫が棲みつくケースは意外にあります。

デッキ材の下は暑い日には日陰になりますし、雨も避けられるので、猫にとって環境が良いのです。
また、フンはハエの発生源にもなるので、衛生上好ましくありません。

対処の手段としては幕板の形状を工夫したり、猫の忌避剤を撒ける構造にしたりすることが挙げられます。

DIYウッドデッキの金額

DIYウッドデッキの金額

ウッドデッキを個人でDIYにて作る場合は、専門業者のものに比べて品質が劣る場合が多いです。

例えば、メーカー品では品質管理が徹底しているのでバラつきが少ないですし、強度の確認もしています。

個人レベルでは、そのようなレベルでの製品は製作ができません。

しかし、作ることは不可能ではないので、ここではDIYでの価格と価格の決定条件について取り上げましょう。

DIYでのウッドデッキの価格

DIYのウッドデッキの価格は、天然木で20,000円/㎡から、人工木で30,000円/㎡からと言われます。

これはあくまでも概算であり、ウッドデッキは材料によって価格が変動するからです。

ちなみに、ウッドデッキの会社によっては組立キットとして販売しているところもあります。

金額の決定条件

それでは金額の決定条件はどのような点にあるのでしょうか。

これには「仕様」と「加工」が関係して来ます。

仕様に関しては、「どのような素材を使ってどのような構造、広さにするか」です。

高級な素材を使えば価格は上がりますし、広ければそれだけ高額になる訳です。

また、加工は見えにくい費用ですが、例えば加工のために機械を購入した場合の費用です。

ハードウッドなどは一般のノコギリで切ることは非常に困難なため電動工具が必要です。

まとめ

ウッドデッキについて各社の状況と注意点を中心に取り上げました。

各メーカーの製品について理解が深まったものと思います。

また、素材やメンテナンスについても分かった部分があったのではないでしょうか。

ウッドデッキは生活を彩るエクステリアと言えますが、設置するには一般知識に加え、各メーカーの知識があった方がベターです。

各メーカーの商品特徴を把握し、自宅のウッドデッキ作りに生かしましょう。