ガーデンライフを考える上で、テラスまわりには凝りたいものです。
開放的な雰囲気は休日をより良いものにしてくれます。

テラスまわりと言えば、ウッドデッキやタイルデッキを思い出すことでしょう。

しかし、テラスはそれだけではありません。
「コンクリートテラス」という製品も登場しています。
ウッドデッキやタイルデッキとは違った特性を持っているアイテムです。

そこで、ここではコンクリートテラスについて、メリット・デメリットを中心に解説します。

コンクリートテラスとは

コンクリートテラスとは、その名の通りコンクリートで作ったテラスです。

タイルデッキのように表面にタイルなどを張らずに、コンクリートが露出したままの状態の製品です。そのため、コンクリートの持つ特性をほとんどそのまま持ちます。

強度や耐久性などのメリットはそのままに、表面温度の上昇に注意が必要な点などは、コンクリート同様に注意をしなければいけません。

ちなみに、コンクリートテラスは構造だけを見るならばタイルデッキと似ていますが、タイルが無いので性質が異なります。

コンクリートテラスの用途

基本的な用途はウッドデッキやタイルデッキと同じです。

読書やお茶を楽しむ空間とするのも良いですし、子供を遊ばせるのも良いでしょう。
物干し場に使うことも可能です。

ただし表面がコンクリートであるため、表面温度の上昇が考えると夏場に子供を遊ばせるには厳しいかもしれません。

コンクリートテラスのメリット

コンクリートテラスのメリット・デメリット

コンクリートテラスのメリットについて解説します。

優れたコストパフォーマンス

最初に挙げられる点がコストパフォーマンスに優れる点です。

基本的にはタイルデッキからタイルを取ったイメージとなるので、タイルの費用が浮くイメージとなります。

また、ウッドデッキのように高い材料も使いません。

基本はコンクリートですので、材料費を考えても安くなります。

高い強度

コンクリートテラスは強度が高い点もメリットです。

コンクリートは非常に強度の高い素材で、昔から使われている素材です。

実際に、現存するビルには築50年レベルの物件が少なくないことを考えると、その強度が伺えると思います。

耐久性が抜群

コンクリートは高い耐久性を持っています。

歴史的建造物を見るならば、古代ギリシアの建造物にはコンクリートのものがあり、数千年を耐えて現存しているのです。

コンクリートテラスも素材はコンクリートなので高い耐久性を誇ります。

一度作れば半永久的に使えるとも言えるかも知れないレベルなのです。

火を扱うことが可能

火を扱うことが可能な点もメリットと言えるでしょう。

コンクリートは燃えない素材なので、コンクリートテラスなら安心して火を扱えます。

良い例がバーベキューパーティーです。
仮に、火が床に落ちたとしても燃えないので安心です。

コンクリートテラスのデメリット

メリットがある一方で、コンクリートテラスにも欠点があります。

次に、コンクリートテラスのデメリットを取り上げていきます。

凍害のリスクがある

凍害はコンクリートのような水を内部に含む素材に見られる現象です。

そのため、コンクリートテラスも凍害のリスクを持っています。

気温が低くなると、コンクリートに含まれた水が凍結して膨張します。
その一方で、気温が上がると凍結した水分が溶けて体積が元に戻ります。

これによって、内部から徐々に劣化することがあるのです。

太陽の照り返しが強い

コンクリートテラスは表面がコンクリートのため、太陽の照り返しが強くなります。

そのため、テラスの上は暑くなってしまいます。
特に、夏場の照り返しは強烈です。

対策としては、直射日光が当たらないアイテムの設置が望まれます。

テラス屋根やシェードなどの設置が推奨されます。

表面温度上昇のリスク

表面温度上昇のリスクもあります。

特に昨今の夏場のような急激な温度上昇では、裸足で立てなくなります。

小さい子どもが転んで手をついた場合には、手がヤケドをする可能性もあります。

撤去が大変

コンクリートは強度の高い素材です。
そのため、簡単には壊れません。

このことは「撤去が大変である」ことも意味します。
つまり、リフォームする場合などに手間が掛かるのです。

ちなみに、コンクリートの破壊は専門の業者であれば機械を使うので対応はできるでしょう。
しかし、個人のDIYのレベルではコンクリートの破壊は簡単ではありません。

DIYでのリフォームが非常に困難になる可能性があります。

コンクリートテラスとウッドデッキ・タイルテラスの比較

コンクリートテラスとウッドデッキ・タイルテラスの比較

コンクリートテラスとウッドデッキ・タイルデッキ、それぞれについて比較してみましょう。
比較する項目は次の通りです。

  • 用途の比較
  • 材質の比較
  • デザイン性
  • 耐久性
  • メンテナンス性
  • コスト

それぞれについて解説します。

用途の比較

まずは用途の比較をしてみましょう。

コンクリートテラスの用途は次の通りです。

  • 趣味の場所
  • 子供の遊び場
  • 洗濯物の干し場
  • ちょっとしたパーティー会場としても使える

ただし、コンクリートテラスは照り返しがあるのと表面温度の上昇があるので、夏場で使用することは減ってしまいます。

例えば、子供の遊び場としては熱中症のリスクが上がるので適さないと思われます。

その一方で、パーティー会場とするならば、火を使った調理器具の使用も可能です。

バーベキューなども安心して利用することができます。

ウッドデッキとの用途の比較

ウッドデッキの用途もコンクリートテラスと同様で、趣味の場所や子供の遊び場となるでしょう。

ただし、ウッドデッキの材料の特性から、可能となることと困難になることが出て来ます。

例えば、コンクリートテラスは照り返しや温度上昇の懸念がありますが、ウッドデッキの場合はコンクリートほどに温度が上がらないので子供の遊び場としても使いやすくなります。

その一方で、ウッドデッキは火を使う調理はあまり適していません。

タイルデッキとの用途の比較

タイルデッキの用途もコンクリートテラスと同様で、趣味の場所や子供の遊び場となります。

材料の特性の違いがありますが、タイルはコンクリートと同様に無機質なので火が使えるなどの特徴は同様です。

ただ、タイルデッキは表面が滑りやすく、特に雨天時には注意が必要です。

一方で、コンクリートテラスは表面がコンクリートなので、タイルデッキほど滑りません。

材質の比較

コンクリートテラスの材質はコンクリートです。
材質の特徴には次の点があります。

  • 高い強度
  • 優れた耐久性
  • 照り返しが強い
  • 表面温度が上がりやすい

このように、コンクリートの特性がそのままに出ています。

ウッドデッキとの材質の比較

ウッドデッキは天然木と人工木のタイプがあります。

また、天然木にはソフトウッドとハードウッドがあります。

天然木は山などから切って来た木材を加工したもので、人工木は木と樹脂をブレンドした素材です。
ソフトウッドは針葉樹、ハードウッドは広葉樹に分類されます。

いずれも質感や触感が良く、人気の高い素材です。

天然木も人工木もデッキとして使う分には強度は十分です。
ただし、コンクリートのレベルまでの強度はなく、耐久性の点でもコンクリートのレベルではありません。

ハードウッドは強度が高い木ですが、それでもコンクリートには及びません。
ただし、天然木も人工木もコンクリートと比較すると、照り返しや温度上昇などは少ないです。

夏場のシェードは必要かも知れませんが、コンクリートデッキよりも快適に過ごせると思われます。

タイルデッキとの材質の比較

タイルデッキとはタイルの有無が主な違いです。

タイルの特性は汚れが着きにくいこと、表面が強いことが挙げられます。

その点、コンクリートデッキは汚れが着きにくい点は同じなのですが、タイルほどではありません。

例えば、油などが付着するとシミになってしまいますが、タイルはシミにはなりにくいです。
また、コンクリートもタイルも表面は固くて強いのですが、タイルの方が強度は高いです。

ただし、タイルは衝撃によって割れたり剥がれたりすることもあります。
コンクリートはタイルが張っていないので、そのようなケースがありません。

デザイン性の比較

コンクリートテラスはコンクリートが露出しているテラスです。

デザインとしては非常にシンプルと言えます。

素材の雰囲気としてはモダンな雰囲気を醸し出し、金属製のエクステリアと相性が良いです。

また、シンプルなだけに設置するアイテムによってデザインの幅が広がります。

ウッドデッキとのデザイン性の比較

ウッドデッキは木材によるデッキです。
素材がウッド素材のみなので、デザインバリエーションは多くはありません。

デッキ部分にフェンスを張って作りますが、フェンスのデザインで全体のバリエーションを決めるイメージです。

ただし、ウッドデッキの大きな特徴は素材の味わいです。
木のぬくもりは他の素材よりも心地よく感じます。
その点、コンクリートテラスは乾燥した雰囲気になるのでウッドデッキとは完全に違います。

ウッドデッキと比べると、硬くて冷たい印象を受けます。

タイルデッキとのデザイン性の比較

タイルデッキはコンクリートテラスにタイルを張ったアイテムです。

デザインのバリエーションはタイルの数だけ増えると言えます。

タイルにはガラス質のものから、テラコッタのようなものまで揃っています。

また、タイルは国産のものだけではなく、海外からの輸入品もあるためバリエーションも豊富です。

耐久性の比較

コンクリートテラスの耐久性は半永久的と言えます。

ウッドデッキの耐久性との比較

ウッドデッキの耐用年数は素材によって異なります。

ソフトウッドでは10~15年、ハードウッドで20~30年、人工木で20~30年です。
いずれもコンクリートテラスには及びません。

また、ソフトウッドのデッキは定期的にメンテナンスをしなければ、早い時期に寿命を迎えてしまいます。
ソフトウッドは他の素材と比較して、割れやシロアリ被害が起こりやすいからです。

タイルデッキの耐久性との比較

タイルデッキはコンクリートの基礎部分にタイルを張った製品です。
そのため、タイル部分の耐久性がポイントとなります。

タイルは土や粘土を焼いて作った素材で、コンクリート同様に無機質なので、非常に長い耐久性を持ちます。

実際に、現存するタイルには数千年も昔のものが少なくありません。

ただし、タイルは衝撃によって割れたり剥がれたりすることがあります。

その点ではコンクリートテラスよりも不利と言えるかも知れません。

メンテナンス性の比較

コンクリートテラスはメンテナンス性が非常に優れています。

そのため、素材としては基本的に都度のメンテナンスの必要がありません。

汚れが付いたとしても、洗剤とデッキブラシなどでゴシゴシと洗えます。

ただし、油が付着するとシミになる場合がありますので注意が必要です。

ウッドデッキのメンテナンス性との比較

ウッドデッキはメンテナンスが前提の製品です。

特にソフトウッドはデリケートなのでメンテナンスが欠かせません。
例えば、定期的な塗装をしなければいけません。
仮にメンテナンスを怠ると、割れてしまったりシロアリ被害を受けてしまったりします。

他にも、ささくれの問題などもあり、その都度修繕が必要です。

タイルデッキのメンテナンス性との比較

タイルは汚れが付着しにくく、色も褪せません。

仮に汚れが付着したとしても、デッキブラシでゴシゴシと洗えます。
この点ではコンクリートテラスと同様です。

しかし、タイルデッキは稀にタイルが剥がれたり、欠けたりする場合があります。

タイルの補修は単純に剥がれたレベルならば、ホームセンターなどで売っている接着剤などでも貼れますが、割れてしまった場合には補修ができません。

リスクについての比較

コンクリートテラスのリスクは、照り返しと表面温度の上昇、油などによって汚れるリスクがあります。

ウッドデッキのリスクとの比較

ウッドデッキのリスクで最も大きいのは「劣化」です。
劣化が進んでしまうと、退色や腐食が進行します。

また、腐った木はシロアリが好むので、シロアリ被害にも注意をしなければいけません。
そのため、劣化を抑える塗装を定期的に施さなければいけないのです。

他にも、デッキの下に猫が棲みつくリスクや対処しにくい部分に雑草が生えてしまうリスクがあります。

猫や雑草のリスクはウッドデッキ特有のリスクであり、コンクリートテラスやタイルデッキにはありません。

タイルデッキのリスクとの比較

タイルデッキのリスクは雨天時の転倒リスクです。

タイルは水で濡れると滑りやすくなってしまい、転倒のリスクが大きくなります。

また、タイルデッキは施工が悪いと水溜まりが出来てしまいます。
水溜まりが出来るとそこが滑りやすい部分となります。

コンクリートテラスに合うアイテム

コンクリートテラスを使う上で、便利となるエクステリアアイテムを挙げてみましょう。

くつろぎの時間とする場合でも、子供の遊び場とする場合でも便利となります。

テラス屋根

テラス屋根を設置すれば、テラスに日陰ができるのでおすすめです。

今のテラス屋根はサイズの大きいタイプもありますし、家の外壁にネジ止めしないタイプもあります。

また、屋根材には太陽光の熱線や紫外線を抑える機能を持つものもあります。

他にも、物干しがオプションとして付けられるので便利です。

オーニング

オーニングは使用する時だけ出せる日除けです。

使わない時には収納が可能です。
プランターなどに日光を当てたい時は、収納すれば対応できます。

今のオーニングには電動のタイプもあります。
リモコンでの制御も可能で、座ったままで操作が可能なので重宝することでしょう。

シェード

シェードも日陰が作れるので、テラスを心地よくしてくれます。

シェードの魅力は様々なデザインが楽しめる点です。
ヨーロピアンスタイルのものから、アジアンテイストのものまで、多種多様です。

水栓

水が使えるようになると、できることがグッと増えます。

水栓の設置はガーデンライフの幅が広くなるのでおすすめです。
例えば、ガーデニングでプランターに水をやる時に便利ですし、子供をビニールプールで遊ばせる時も使えます。

洗剤を使って掃除をする場合にも水は不可欠です。

水栓があれば非常に便利になることでしょう。

フェンス

テラスまわりはサッシでリビングに繋げている場合が多いです。

状況によっては外からリビングが丸見えになってしまいます。
この状態はプライバシーの点で問題です。

しかし、フェンスを張ればプライバシーは守られます。
目隠しフェンスがおすすめです。

ただ、目隠しフェンスで全体を囲ってしまうと閉塞感を感じてしまいます。
そのような場合は隠したい部分だけにフェンスを張ると良いでしょう。

人工芝

コンクリートテラスは照り返しが強く、表面温度の上昇がデメリットです。

しかし、人工芝を使えば照り返しや表面温度の上昇が緩和できます。

人工芝は触感を選ぶことが可能なので、好みのものを敷くと良いでしょう。

なお、人工芝であっても温度上昇は発生します。
テラス屋根やシェードの併用がおすすめです。

照明器

エクステリアはライトアップすると非常にスタイリッシュに映ります。

コンクリートテラスもライトアップによって、更にスタイリッシュに映ることでしょう。

最近はソーラータイプの照明器も人気です。

一般の照明器は電気工事が必要なのですが、ソーラー式であれば電気工事が必要ないのでおすすめです。

防犯製品

テラスまわりは開放的な空間となっていますが、大きなサッシでリビングと接続されている場合が多いです。

そして、そのような場所はプライバシー保護のためにフェンスなどで仕切られているケースが少なくありません。
そのような環境では窃盗などを目的とした侵入者が活動しやすくなってしまいます。

そのため、防犯製品は欠かせません。

防犯カメラやセンサーライトなどを配備し、侵入者を寄せ付けないようにしましょう。

まとめ

コンクリートテラスについて取り上げました。

テラスはガーデンライフを変えてくれるアイテムですが、その人の生活に合う場合と合わない場合があります。

設置の際には自宅の条件を再確認した上で、ウッドデッキやタイルデッキを比較して決めましょう。