タイルデッキはウッドデッキと肩を並べるエクステリア製品です。
どちらもユーティリティスペースとして使えます。
ただ、ウッドデッキとは商品の特性が違うため、単純にウッドデッキと比較するべきではありません。
価格、製品の特長、メリット・デメリット、それぞれが異なるのです。
そのため、自宅に設置する際にはタイルデッキについて、ウッドデッキとは別物として知るべきでしょう。
そこで、ここではタイルデッキを取り上げ、施工の費用相場からメリット・デメリットを中心に解説します。
タイルデッキの費用相場

結論から言うならば、タイルデッキの施工で発生する費用はケースバイケースです。
設置面積や使用するタイルによって大きく変動します。
ただ、一応の相場はあります。
概ねとはなりますが平米あたり5,000~20,000円が目安です。
しかし、実際にはオプションが付けられることも少なくないので、予算計画を立てる時には余裕を持つべきでしょう。
例えば、好みのタイルを見かけた後に、もっと魅力的なものを見つけた…といった場合などがあると思われます。
予算に余裕があれば変更は可能ですが、余裕が無いと変えられません。
タイルの価格と特徴について

タイルデッキはコンクリート部分とタイルで構成されます。
そのため、同じ面積のデッキであればタイル部分が価格の変動要因として挙げられます。
同じ面積のデッキであれば、コンクリート部分からタイルの施工費用まで変動が少ないとも考えられるからです。
それではタイルの価格帯はどのようになっているのでしょうか。
タイルの特性を含めて解説します。
タイルの価格帯
タイルは非常に幅の広い製品です。
タイルデッキに適するタイルをネットで探すと、非常に多くの製品が見つかります。
そのため、相場を読み取るのは非常に難しいです。
ただ、国内のタイル会社のサイトを見ると平米あたり3,000~10,000円となっています。それくらいの費用でタイルデッキの設置は可能と判断できるでしょう。
仮に、海外から輸入している会社を調べたならば、更に多くのタイルが見つかります。
価格の相場は未知数です。
しかも、輸入品は円相場で価格が変動する可能性があり、国によっても価格は違います。
このことから考えると、海外製品を含めてのタイルの相場は読めないかも知れません。
タイルの耐久性
タイルは耐久性の高い素材です。
歴史的建造物を見るならば2,000年以上前の建造物で見つけることが可能です。
良い例として挙げられるのがエジプトのピラミッドで、使われていたタイルが現在でも確認できるのが驚きです。
ちなみに、タイルは粘土を成形して高温で焼いて作ります。
成分的には無機物なので腐ることはありません。
タイルの化学的安定性
タイルは化学的安定性にも優れた素材です。
酸にもアルカリにも強く、通常に使う分であれば、変色などはまずありません。
タイルの表面に掛ける釉薬は、高温で焼くことによってガラス質の被膜になります。
ガラスは薬品に強い素材なので、化学的にも安定します。
タイルの耐熱性
タイルは耐熱性に優れる素材で、火炎にも耐えるレベルです。
実際、タイルはその耐熱性からスペースシャトルの外皮にも使われたほどの性能があります。
大気圏突入の際の大気との摩擦熱で発生する熱から乗組員を守った実績があるほどです。
住宅用のタイルも非常に優れた耐熱性を持ちます。
キッチンのコンロまわりにもタイル張りの部分を見かけますが、タイルの耐熱性が活かされた構造です。
タイルの防水性
タイルは粘土を高温で焼いて作る素材です。
また、タイルにかける釉薬はタイルの表面にガラス質の被膜を作ります。
そのため、防水性は非常に高いです。
実際、タイルは在来工法の浴室に多く使われて来た歴史があります。
浴室は水を毎日使う場所で、タイルの防水性を表現していると言えるでしょう。
ちなみに、浴室は毎日のように洗剤とタワシでゴシゴシと掃除されている場所でもあります。
それでも耐水性を維持しているタイルは非常に優れた素材と言えるでしょう。
タイルの耐摩耗性
タイルは通常に使っている分には耐摩耗性でも問題はありません。
実際、タイルは公共の場所のフロアに使われて来た実績がありますので、問題はないと判断できます
確かに固い素材で引っ掻けば削れてしまうかも知れませんが、タイルデッキの用途であれば問題はありません。
タイルの色彩
タイルは色彩のバリエーションが非常に多いです。
釉薬をかけずにゴツゴツと仕上げたもの、釉薬を掛けてフラットに焼いたものなど幅広く揃っています。
タイルの色彩は土の成分と窯の中の焼成条件、そして釉薬の成分によります。
例えば、土の中の鉄分の含有量は土によって違いますが、窯の中の酸素の濃度によって反応が異なり、質感が決まるのです。
また、この時の窯の中の条件の違いにより、微妙な色ムラが発生し、独特の味わいを表現します。
釉薬の色は含まれる金属イオンの状態によるもので、条件を変えることによって幅の広い色彩を生み出します。
タイルデッキの特徴とは

ここではタイルデッキの特徴について取り上げます。
どのような特徴があるのでしょうか。
美しい外観
タイルは色彩の幅が非常に広く、しかも質感も様々で多彩な表情を見せてくれる素材です。
タイルのカタログを見ると分かるのですが、色調にしろ光沢にしろ、実に種類は多いです。
タイルデッキはこのようなタイルを並べたデッキ。表面は非常に美しく整っています。
また、タイルデッキは職人の技術が垣間見えるエクステリアとも言えます。
美しく整った形状のタイルを、美しい配置で張って行く工程に技術の高さを見ることができるからです。
タイル張りは簡単なようでいて非常に難しい技術の必要な仕事で、修行を積んだ職人の成せる技なのです。
構造部分が強い
タイルデッキの構造部分はコンクリートです。
しかも、中にはワイヤーメッシュが入っています。
実際、コンクリートブロックの強度は1平方センチあたり100kg程度の圧縮荷重に耐えます。
これは通常の使用においてはあり得ない荷重条件であり、それだけ頑丈なのです。
そのため、上に重量物を置いても強度的な問題はほとんど起こりません。
力の分散は必要とはなりますが、物置などの設置も可能なのです。
耐用年数が非常に長い
コンクリートの耐用年数は半永久的と言っても過言ではありません。
これは歴史が証明しているとも言えるでしょう。
古代ローマの建造物にはコンクリートを多用しているものが多く、今も壊れずに建っているからです。
また、タイルも古代エジプトのものが見つかっているほどで、コンクリート同様に長寿命の素材です。
タイルデッキはこれらの素材で作られた構造物。非常に長い耐用年数を誇ります。
環境変化の影響を受けにくい
タイルデッキは周囲の環境変化の影響を受けにくい特性があります。
屋外の環境の変化は意外に厳しいです。
昨今では、夏場は35℃を超えると思えば、冬場は氷点下にまで下がる…といったケースが珍しくありません。
また、紫外線の影響も大きいです。
プラスチックやゴムなどは紫外線の影響を強く受け、ボロボロになってしまいます。
この変化による影響は、エクステリア製品でも様々な場所で見られます。
ある製品はサビついてしまい、別な製品は色あせてしまうことからも分かるでしょう。
しかし、タイルデッキは温度が上がっても下がっても状態は変わりません。
また、雨が降っても雪が降っても変わらず使用が可能。環境変化の影響を受けにくいのです。
タイルデッキのメリット

ここではタイルデッキのメリットについて取り上げて解説します。
高級感があり美しい
タイルデッキは高級感で溢れている美しいエクステリアのアイテムです。
張るタイルにもよりますが、総じて重厚さと気品を兼ね備えています。
タイルは表面が光沢なタイプ、マットなタイプと多くの表情を持っています。
タイルデッキはその表情を前面に、しかも上品に出しているエクステリアなのです。
幅広いデザイン
エクステリアの醍醐味の1つは「デザイン性」です。
便利で心地よい空間も重要なのですが、家の外はスタイリッシュに決めたいものです。
デザイン性は非常に大切なのです。
タイルデッキはデザインの幅が非常に広いです。
タイルの数だけ別のデザインが作れるとも言えるので、可能な組み合わせは計り知れません。
家のデザインは来訪者の印象を決定づけます。
家の印象は住む人の評価にも結び付くので、近隣との人間関係も変わるかも知れません。
メンテナンスが簡単
タイルデッキは掃除が簡単です。
メンテナンス性が良い点も大きなメリットと言えるでしょう。
これは他のエクステリア製品と比較しても如実です。
例えばアルミ製品の場合は柔らかい布での掃除となり、タワシなどは使えません。
ウッドデッキもデリケートなので優しくメンテナンスをしなければいけません。
その点、タイルデッキは強い洗剤を使ってデッキブラシでこすっても問題はありません。
表面が非常に強いのでブラシでも洗剤でも大丈夫なのです。
タイルデッキのデメリット
次に、タイルデッキのデメリットについて解説していきます。
表面温度が上がりやすい
物質には熱くなりやすいものと、なりにくいものがあります。
タイルやコンクリートは熱くなりやすいもので、条件によってはヤケドをするくらいまで熱くなります。
タイルデッキにおいても、この現象が起こります。
日射や気温などの環境条件が揃うと、タイルデッキの表面が非常に熱くなるのです。
特に、夏場の日射の厳しい時は温度上昇が著しく見られます。
小さい子供が転んで手をついた時などはヤケドをするかも知れません。
転倒のリスク
タイルは表面が平滑なのが特徴です。
表面にテクスチュアはあるものの、多くのものが水に濡れると滑りやすくなります。
当然ながら、タイルデッキも水に濡れると滑りやすくなります。
ちなみに、タイルデッキはコンクリートの構造物でもあり、頑丈で表面は固いです。
そのため、仮に転倒したならばケガの可能性が高まります。
特に、お年寄りの場合には骨折のような大ケガをするかも知れません。
水たまりができる可能性がある
タイルは撥水性の良い素材なので、濡れてしまったら乾くまでその状態が続きます。
タイルデッキも同様で、濡れてしまったらそのままです。
つまり、水たまりができてしまうのです。
この水たまりですが、施工の状態が良ければ流れて落ちるので、できることは少ないです。
しかし、職人の技量が不十分の場合にはできる可能性が高くなります。
ちなみに、タイルデッキの水たまりはタイル表面を滑りやすくします。
転倒のリスクが大きくなるので注意が必要です。
目地が汚れる可能性
前述のように、タイルデッキに使うタイルは汚れが付着したとしても簡単な掃除で落とせます。
しかし、目地の部分はそのようには行きません。
汚れが付着すると簡単には落ちないのです。
そして、タイルの色によっては目地の汚れが目立つ可能性があります。
ちなみに、目地の汚れはタイル目地用の洗剤で落とせる…といった情報もありますが、完全に汚れが落ちるとは限りません。
タイルデッキの工事について

ここではタイルデッキの工事について解説します。
一般的なエクステリア製品はボルトやネジで組み立てられています。
しかし、タイルデッキはコンクリートとタイルをメインとした工事です。
どのような工事となるのでしょうか。
タイルデッキの工事の流れと必要な技術レベル
タイルデッキの工事の流れは次の通りです。
- 基礎工事:下地の転圧や型枠工事など
- コンクリート・モルタル工事:ブロック組み、ワイヤーメッシュ、コンクリートなどの工事
- タイル張り:タイルを実際に張る工事
いずれの工事も技術が必要です。
例えば、ブロックを組む工程やコンクリートを流す工程は正確でないと形状がゆがんでしまいます。
当然ながら、全体がゆがむとタイルを張った時に美しく納まりません。
また、平坦度が出ていない場合にはタイルの表面がデコボコになってしまい、状況によっては水たまりができやすくなってしまいます。
水たまりができてしまうと表面が滑りやすくなるので危険です。
このように、タイルデッキの工事には技術が必要であり、見えない部分で職人の経験が生きているのです。
DIY工事は可能か
エクステリアにはコンクリートやモルタルを使う湿式工事が必要です。
例えばコンクリートブロックの工事はカーポートの基礎工事などがあります。
DIYの上級者はこれらの工事もやってのけるかも知れません。
そして、その様子を動画などに載せて公開をしています。
これらの動画を見ると、そのような工事が簡単にできると錯覚してしまいます。
しかし、湿式工事は「職人技」とも呼ぶべき高度な技術が必要なのです。
タイルデッキもこのことが言えます。
タイルデッキのタイルはモルタルで貼り付けますが、一見するとラベルを貼るように感じてしまうかも知れません。
しかし、「正確さ」「美しさ」「平坦度」などのタイルデッキに必要とされる品質を出すためには専門技術のある業者に依頼する必要があるのです。
まとめ
タイルデッキについて取り上げました。
また、それに併せてタイルの特性についても述べたので、タイルデッキの特性の秘密も分かったことと思います。
タイルデッキは強度にしろ耐久性にしろ非常に優れたデッキです。
長く使うことが可能なので、ぜひとも充実したガーデンライフをお楽しみください。
ここでは、ガレージとカーポートの有効活用について取り上げます。
まずはガレージの活用方法を挙げてみましょう。










