家の印象は外構(エクステリア)の状態で決まると言っても過言ではありません。
門から入って玄関アプローチを通り、玄関に至るまでの間に目に入る場所だからこそ、外構の状態は無視できないのです。
外構が安っぽい状態だと、家全体の雰囲気も悪い印象を与えかねません。
更には、家の印象が悪いことで家人の印象も悪くなってしまうことも考えられます。
今回はしょぼい外構の特徴について取り上げ、限られた予算の中でも立派な外構を造るための方法について解説します。
新築の外構が「しょぼい」と感じてしまうのはなぜ?
せっかくこだわって建てたマイホームなのに、いざ完成してみると「なんだか家の外観がしょぼい気がする……」と後悔する方は少なくありません。
建物自体は立派でも、家の周りを囲む外構の仕上がり次第で、全体の印象は大きく変わってしまいます。
外構が安っぽく見えてしまうのには、いくつかの共通した原因が存在します。
まずは、なぜ自分の家の外構が物足りなく感じてしまうのか、その根本的な理由を知ることから始めましょう。
予算が足りず最低限の工事になってしまったから
外構がしょぼく見えてしまう最も大きな原因は予算不足です。
家づくりを進める中で、キッチンの設備のグレードを上げたり間取りを変更したりしているうちに、建物本体の予算がどんどん膨らんでしまうことはよくあります。
その結果、家づくりの終盤に計画されることが多い外構工事に回す予算が削られてしまいます。
本来であればデザインにこだわりたかったフェンスやアプローチを諦め、「とりあえず車が停められて、ポストがあればいい」という最低限の機能だけを満たした工事になってしまうため、未完成のような寂しい印象を与えてしまうのです。
土や砂利がむき出しで殺風景になっているから
外構工事の費用を抑えるために駐車スペース以外の場所を手つかずの土のままにしておいたり、安価なグレーの砕石(砂利)をただ敷き詰めたりするケースも多く見られます。
しかし、広い面積を土や無機質な砂利だけで覆ってしまうと、非常に殺風景な仕上がりになります。
特に雨の日は土がぬかるんで靴や車が汚れたり、泥水が道路に流れ出たりと見た目だけでなく生活上の不便さも目立つようになります。
空間に彩りや温かみがなく、建物の基礎部分がむき出しになっているような状態は、どうしても安っぽい印象を強調してしまいます。
雑草が生い茂って手入れが行き届いていないから
土のまま残した庭や、防草シートを敷かずに砂利を撒いただけのスペースは、春から夏にかけてあっという間に雑草が生い茂ってしまいます。
どんなにモダンでおしゃれな建物を建てても、その周囲が雑草だらけでは「手入れが行き届いていない家」というマイナスのイメージを持たれてしまいます。
雑草は景観を損ねるだけでなく、害虫が発生する原因にもなります。
こまめに草むしりをする時間と体力があれば問題ありませんが、共働きなどで忙しいご家庭の場合、手入れが追いつかずに外構全体が荒れた印象になりがちです。
結果としてしょぼいと感じる原因になってしまいます。
植栽やシンボルツリーが全くないから
「落ち葉の掃除が大変そう」「虫がつくのが嫌だ」という理由から、庭や玄関周りに木や花を一切植えない選択をする方も増えています。
確かにメンテナンスの手間は省けますが、敷地内に緑が全くない状態は無機質でどこか冷たい印象を与えがちです。
植物の緑色は建物の外壁の色を引き立て、空間に立体感と温かみをもたらす重要な役割を持っています。
シンボルツリーが1本あるだけでも、外観のフォーカルポイント(視線を集める場所)となり、高級感がグッと増します。
植栽が全くない外構だと彩りが全くない、味気ない空間を生んでしまうのです。
外構がしょぼく見えるポイントと注意点
外構が安っぽく見えてしまう原因は、敷地内のどの場所にあるかによって異なります。
ここでは、アプローチ・駐車場・境界フェンス・庭・門周りという5つの代表的な場所ごとに、どのような状態が「しょぼい」という印象を与えてしまうのか、その具体的なポイントと注意点を解説します。
アプローチ:コンクリートだけで味気ない
道路や門から玄関のドアまでをつなぐ「アプローチ」は、住む人や来客が必ず通る重要な場所です。
このアプローチをただのコンクリートの平らな道にしてしまうと、非常にのっぺりとした味気ない印象になります。
コンクリートは耐久性が高く実用的ですが、デザイン性という面では単調です。
歩く部分にタイルやレンガ、天然石などの素材を使ったり、カーブをつけて奥行きを出したりといった工夫がないと、「とりあえず歩けるようにしただけ」という事務的な空間になり、家の顔としての魅力が半減してしまいます。
駐車場:カーポートがなくタイヤの跡が目立つ
駐車スペースは敷地の中で最も広い面積を占めるため、外構全体の印象を大きく左右します。
費用を抑えるためにカーポートを設置せずコンクリートを打っただけの場合、雨の日に車に乗り降りしにくいだけでなく、見た目も間延びしてしまいます。
さらに、コンクリートは時間が経つと車のタイヤの摩擦による黒い跡が目立つようになります。
広い真っ白なコンクリートの上に黒い線が無数についている状態は、決して美しいとは言えません。
広すぎる無機質な空間は、外構の殺風景さを際立たせてしまいます。
境界フェンス:メッシュフェンスで安っぽい
道路や隣の家との境界線に設置するフェンスは、距離が長くなるためコストがかさみやすい部分です。
そのため、コストダウンの対象として一番安価なアルミ製のメッシュフェンスが選ばれることが多くあります。
しかし、メッシュフェンスは境界を示す機能しか持たず目隠し効果もありません。
デザイン性も乏しいため、道路からよく見える場所に多用するとまるで空き地やグラウンドのような安っぽさが出てしまいます。
また、敷地の中が丸見えになるため、庭に置いている物などの生活感もそのまま外に伝わってしまいます。
庭:手つかずの状態で使い道がない
建物の南側などにスペースがあるにもかかわらず、「とりあえず土のまま残してある」という状態の庭は、外構の未完成感を強く醸し出します。
何の利用用途もなく、ただの土の広場になっていると結局はデッドスペースになってしまいます。
手つかずの庭は雑草の温床になるだけでなく、雨上がりには泥だらけになります。
せっかくの庭のスペースが有効活用されておらず、ただ荒れているだけの状態に見えると家全体の計画性がなかったように感じられ、「しょぼい」という評価に直結してしまいます。
門周り:ポストや表札が機能性重視すぎる
門周りは「家の顔」であり、訪問者が一番最初に目を向ける場所です。
ここにアルミの細い柱にポストと表札、インターホンがくっついているだけの最も安いグレードのものを選んでしまうと、非常に簡素な印象を与えます。
もちろん機能としては十分ですが、建物のデザインがどれだけ凝っていても入り口の門柱が細くて頼りないと、全体的にチープに見えてしまいます。
門周りにボリューム感がなく、ただ郵便物を受け取るだけの装置になっている状態は、高級感を損なう大きな原因となります。
しょぼい外構をおしゃれにする5つの改善策
「新築時に最低限の外構にしてしまったから……」と諦める必要はありません。
すでに家が建ち、外構が完成した後からでも少しの工夫と追加の工事で見栄えを劇的に良くすることは可能です。
ここでは、手軽に取り入れられて効果の高い5つの改善策をご紹介します。
シンボルツリーや植栽を効果的に配置する
最も手っ取り早く、かつ劇的に外構の印象を変えることができるのが「植物を活かすこと」です。
コンクリートや土ばかりの無機質な空間に、緑が加わるだけで一気に温かみと立体感が生まれます。
- 玄関脇やアプローチの目立つ場所に、高さのあるシンボルツリーを1本植える。
- 地植えが難しい場合は、おしゃれな大型の鉢植え(プランター)を配置する。
- 門柱の足元に背の低い植物(下草)を少しだけ植える。
これだけでも見違えるほど華やかになります。
虫や手入れが心配な方は、シマトネリコやオリーブなど比較的管理がしやすく常緑の(一年中葉がついている)樹種を選ぶのがおすすめです。
ガーデンライトを取り入れて夜の雰囲気を格上げする
昼間は少し物足りない外構でも、照明(ガーデンライト)を効果的に使うことで、夜になるとホテルやレストランのようなおしゃれな雰囲気を演出することができます。
光と影のコントラストで、空間に奥行きを持たせることが可能です。
シンボルツリーを下から照らすアップライトや、アプローチの足元を優しく照らすポールライトの設置がおすすめです。
また、大掛かりな電気工事をしなくても最近は太陽光で充電して暗くなると自動で点灯する、高性能でデザイン性の高いソーラーライトが多数販売されています。
土に挿すだけで設置できるため、DIYでも簡単に追加できます。
目隠しフェンスで生活感を上手に隠す
外構が安っぽく見える原因である「生活感」を出さないようにするには隠すことが重要です。
道路から丸見えになっている室外機・ゴミ箱・自転車置き場などの前に、部分的に目隠しフェンスを設置しましょう。
視線が気になる部分だけ(幅2〜3メートル程度)であれば、費用を抑えて施工可能です。
木目調のアルミフェンスや本物の木のような質感の人工木フェンスを選べば、隠すだけでなくそれ自体がおしゃれな外観のアクセントとして機能してくれます。
化粧砂利または人工芝で雑草対策と見栄えを両立する
土がむき出しになっていて雑草が生えやすい場所は早急に対策をしましょう。
雑草をきれいに抜き、平らに整地した上で防草シートを隙間なく敷き詰め、その上に化粧砂利を敷き広げます。
これだけで砂利の色によって外構全体がパッと明るく、清潔感のある空間に生まれ変わります。
また、彩りや庭の使い道を考えるなら人工芝を敷くのが非常におすすめです。
本物の天然芝は芝刈りや水やり、肥料などのこまめなメンテナンスが必要ですが、人工芝であれば一度敷いてしまえばほとんど手間がかかりません。
これから外構を計画する人が失敗しないための4つの鉄則
これから新築を建てる方や外構工事を控えている方に向けて、完成してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためのポイントを解説します。
外構は家づくりの終盤に行われるため、計画や予算が疎かになりがちです。
以下の4つを守って、満足のいく外構を実現しましょう。
建物と同じタイミングで外構の予算をしっかり確保する
失敗の最も大きな原因は、建物の打ち合わせが進むにつれて外構の予算が削られてしまうことです。
これを防ぐためには、家づくりの初期段階から外構費用を「絶対に削ってはいけない予算」として別枠で確保しておく必要があります。
一般的な外構費用の目安は、建物本体価格の約10%程度と言われています。
敷地の広さや高低差にもよりますが、最低でも150万円〜200万円程度は最初から見込んでおかないと、おしゃれで機能的な外構を作ることは難しいかもしれません。
お金をかける場所と削る場所のメリハリをつける
確保した予算の中で高級感を出すためには、すべてを最高級にするのではなく「メリハリ」をつけることが重要です。
人の視線が集まる場所にはしっかりとお金をかけ、見えない部分は徹底的にコストを削りましょう。
例えばお金をかける場所として、門柱・アプローチの素材・玄関周りの植栽・目隠し用のフェンスなど家の顔として目立ちやすい場所が優先になります。
一方で、建物の裏側や側面の通路・隣家との境界フェンスといった見えない部分はお金を削る部分として考えて良いでしょう。
このように優先順位を明確にすることで、限られた予算でも表側を豪華に見せることができます。
メンテナンスの手間を考慮して素材を選ぶ
外構は作って終わりではなく、住み始めてからのメンテナンスが必要になります。
完成時の見た目だけで素材を選んでしまうと、後から手入れが大変になり、結果的に荒れ果てて「しょぼい外構」になってしまいます。
例えば、天然芝は美しいですが芝刈りが必要です。
ウッドデッキも天然木を選ぶと、定期的な塗装などの防腐処理が欠かせません。
「庭の手入れにどれくらい時間をかけられるか」を現実的に考え、手入れが苦手な場合は人工芝や人工木のウッドデッキ・タイルのテラス等、メンテナンスのいらない素材を選びましょう。
外構の専門業者に相見積もりを依頼する
外構工事をハウスメーカーや工務店にそのまま依頼する方は多いでしょう。
ただし、デザインの幅を広げたり、コストを適正に保つためには外構を専門にしている業者(エクステリア専門店)にも相談することをおすすめします。
ハウスメーカーの中間マージンが省けるため、同じ予算でもよりグレードの高い提案を受けられる可能性が高まります。
最低でも2〜3社から「相見積もり」を行いましょう。
複数のプランを見比べることで自分たちの好みが明確になり、適正価格も把握できるようになります。
DIYで外構を改善できる?プロに任せるべき境界線
外構リフォームの費用を抑えるために、ホームセンターで材料を買ってきて自分たちで作業する「DIY」を検討する方も多いでしょう。
しかし、外構工事の中にはDIYに向いている作業と、素人が手を出すと危険で失敗しやすい作業があります。
初心者でもDIYで挑戦しやすい外構作業
特別な重機や高度な専門知識がなくても、時間と体力さえあれば初心者でも挑戦でき、失敗してもやり直しがききやすい作業はDIYに向いています。
- 砂利敷き・防草シートの設置:土を平らに均し、シートを張って砂利を撒くだけ
- 人工芝の敷設:ロール状の人工芝を切ってピンで留める
- ソーラーライトの設置:太陽光発電のライトを土に挿すだけ
- 簡易的な花壇づくり:置くだけのレンガなどを使って小さな花壇を作る
プロに依頼しないと危険・失敗しやすい外構作業
一方で、家の基礎に関わるものや安全性が求められるもの、やり直しが効かないものは無理をせずプロの専門業者に依頼しましょう。
- 駐車スペースなどのコンクリートの打設
- ブロック積みや高さのあるフェンスの設置
- 100Vの電気配線を伴う照明工事
- カーポートなどの大型アルミ製品の組み立て
外構工事を依頼する優良業者の選び方3つのポイント
しょぼい外構を理想の形にするためにも、パートナーとなる業者選びは非常に重要です。
失敗しないための優良業者の選び方のポイントを3つご紹介します。
過去の施工事例が自分の好みに合っているか確認する
外構業者にも、それぞれ得意なデザインのテイストがあります。
モダンでスタイリッシュなデザインが得意な会社もあれば、植物をふんだんに使ったナチュラルな庭づくりが得意な会社もあります。
まずは、業者のホームページやSNSで過去の施工事例の写真をたくさん見てみましょう。
自分が「こんな外構にしたい!」と思える写真が多い業者であれば、要望を伝えた際のズレも少なく、スムーズに打ち合わせが進む可能性が高くなります。
見積もりの内訳が詳細で分かりやすいかチェックする
業者から見積もりを出してもらった際、その内訳の書き方に業者の誠実さが表れます。
悪い例として「外構工事一式:100万円」といった、大雑把すぎる見積もりを出す業者は避けた方が無難です。
見積もりがしっかりしている業者は、「コンクリート打設(〇平米)」「〇〇メーカー フェンス〇〇型(〇メートル)」「残土処分費」など、使う材料の数量や単価、作業にかかる費用などを細かく明記してくれます。
内訳が明確であれば、予算オーバーした際に「どこを削ればいくら安くなるか」を確認したうえで相談もしやすくなります。
担当者の提案力とコミュニケーション能力を見極める
お客様の要望をそのまま図面にするだけの業者は良い業者とは言えません。
「車を2台停めたい」という要望に対して、日々の動線や将来のことも考えた上で、配置の提案や素材のおすすめなど、プロ目線でのプラスアルファの提案をしてくれる担当者を選びましょう。
また、打ち合わせの中で疑問点や不安なことを質問した際は、わかりやすく説明してくれるかどうかも重要なポイントです。
コミュニケーションが円滑にとれる担当者であれば、工事中のトラブルも防ぐことができます。
まとめ
外構がしょぼく見えてしまう原因は、主に「予算不足」「無機質な素材の多用」「緑(植栽)の欠如」「生活感の露出」にあります。
しかし、ポイントさえ押さえれば、限られた予算の中でも十分に高級感のある外構を作ることは可能です。
これから外構を計画する方は、家づくりと同じタイミングで外構予算をしっかり確保し、メリハリのある配分を心がけましょう。
すでに完成して後悔している方も、シンボルツリーや照明の追加や砂利や人工芝の活用で、後からできる改善策もたくさんあります。
信頼できる専門業者に相談しながら工夫を取り入れて、毎日家に帰るのが楽しみになるような自慢できる外構を目指してください。











