外構に使える素材は非常に多いです。
工場で生産する工業製品もあれば、天然素材もあります。
まさに「工夫次第」と言えるのではないでしょうか。
実際、古木のようなリサイクル素材を上手く組み込む外構もあります。
ここで取り上げるコンクリート平板はそのような材料の内の1つであり、駐車場にも活用できる素材です。
それでは、コンクリート平板の駐車場にはどのような魅力があるのでしょうか。
また、コンクリート平板にはどのような特徴があるのでしょうか。
コンクリート平板の駐車場のメリット

コンクリート平板の駐車場はコンクリート舗装と変わらないように思えるかも知れません。
しかし、両者は似ているようでいて別物。違ったメリットとデメリットがあるのです。
そこで、まずはコンクリート平板の駐車場のメリットを解説していきます。
コストが抑えられる
コストが抑えられる点がコンクリート平板の駐車場の魅力の1つです。
コンクリート平板を使った駐車場は施工が比較的容易です。
強度を確保するために地面の下地処理は必要となりますが、基本的には施工は平板を置いて行います。
その点、コンクリート舗装の場合はメッシュパネルを埋設して目地を設置し、コンクリートを流さなければいけません。
更に左官工事が発生することもあり、施工には手間がかかります。
この施工の手間が工賃の差になり、コンクリート平板の方のコストが抑えられるのです。
デザインのバリエーションが広い
コンクリート平板はデザインが多彩です。
特にカラーバリエーションが広い点がメリットと言えます。
そのため、駐車場のデザインの幅も広がります。
コンクリート平板ならではの魅力なのです。
ちなみに、外構は異なった素材を組み合わせると変化が出て更に面白くなります。
コンクリート平板と玉砂利を組み合わせた駐車場や芝生を組み合わせた駐車場などには、独特の味わいが出て来ることでしょう。
温度上昇が抑えられる
表面の温度上昇を抑えることもコンクリート平板は可能です。
コンクリート平板には保水性を持つタイプがありますが、このタイプを使うと表面温度の上昇が低減できます。
その秘密は平板の保水性です。
周囲の温度が上がると蓄えていた水が蒸発し、気化熱で表面温度の上昇を抑えるのです。
夏場など、駐車場の照り返しは非常に強いために路面は熱くなります。
しかし、保水性を持たせたコンクリート平板の駐車場であれば、この現象が緩和されるのです。
水はけが良い
コンクリート平板の駐車場は水はけが良い点もメリットです。
雨が降った場合には平板と平板の隙間に流れてしまい、表面に水が溜まらないのです。
その点、コンクリート舗装やアスファルト舗装などは水溜まりが出来やすいです。
水溜まりは靴や衣服の汚れにも繋がりますが、コンクリート平板の場合は溜まりません。
撤去が比較的容易
コンクリート平板の駐車場は撤去が容易です。
そのため、外構リフォームがしやすくなります。
外構をリフォームする場合には、既存の外構を一旦撤去しなければいけません。
駐車場であれば、既存の舗装を剥がす必要が出て来るでしょう。
コンクリート舗装の場合には、ハツリ工事が必要となるでしょう。
その点、コンクリート平板は置いてあるだけなので撤去は比較的容易です。
コンクリート平板の駐車場のデメリット
次に、デメリットを解説します。
メンテナンスに手間が掛かる
第1に挙げられるのが、メンテナンスに手間が掛かる点です。
コンクリート平板の駐車場では、平板と平板の隙間から雑草が生える場合があります。
雑草の種は風に乗って来ることもあるので、防ぎきることは不可能です。
雑草は除去しなければいけません。
また、コンクリート平板は汚れが付着しやすい素材で、掃除をするのにも手間が掛かります。
ほかにも、破損をした場合なども大変です。
置くだけの施工とは言っても重量物のため、破損部分の交換作業は大変です。
割れるリスクがある
コンクリートは頑丈な素材ではありますが、弾性がないために衝撃を加えると破損することがあります。
これと同様に、コンクリート平板も衝撃力には弱いです。
強すぎる力が加わると割れてしまいます。
また、下地処理が適切でない場合には、平板が車の重量を支えきれなくなってしまい、そのまま平板は割れてしまうのです。
つまずきやすい
コンクリート平板の駐車場は段差ができやすく、つまずきやすくなっています。
この状況はお年寄りにとっては逆境と言えるでしょう。
段差での転倒は骨折のような大ケガにも繋がり得るからです。
また、杖を使う人にとっても良くありません。
杖の先端が平板と平板の隙間に刺さることがあるので、バランスを崩しやすいのです。
平板がズレる場合がある
コンクリート平板の駐車場は基本的には置いて施工をしています。
そのため、外から強い力が加わると、平板そのものが動く場合があります。
例えば、駐車してある車をスタートさせるとタイヤが勢いよく回ります。
このとき、平板がタイヤに動かされてしまうのです。
なお、コンクリート平板のズレがひどくなると駐車場全体が歪んでしまう場合もあります。
汚れの問題
コンクリートは強度の高い素材なのですが、多孔質素材でもあります。
そのため、表面には汚れが付着しやすく、しかも頑固で簡単には落ちません。
具体的には次の5つが汚れの原因となります。
- 油
- カビ
- こけ
- サビ
- 雨水
駐車場のコンクリート平板にこのような汚れが着いた場合、専用のクリーナーを使えば掃除は可能です。
コンクリート平板の種類
次に、コンクリート平板の種類について、代表的なものを取り上げて解説します。
普通平板
普通平板はJISA5371「プレキャスト無筋コンクリート製品」に示すコンクリート製品の1つです。
縦・横・厚さ・寸法許容差がJIS内に謳われているので、非常に信頼性の高い製品と言えます。
また、JIS内には「性能を損なわない範囲内で、露出面を着色したり、表面加工(研磨、洗出し、たたき出しなど)を施すことができる」と記載されています。
JISによってデザインが自由であることが認められていると言えるでしょう。
透水性平板
透水性コンクリート平板の特徴は水を通しやすい点です。
一般のコンクリートでは雨が溜まって水溜まりを作りやすい難点があります。
しかし、透水性コンクリートでは水が浸透して通してしまいます。
その結果として水溜まりができにくくなるのです。
水溜まりは靴や衣服の汚れの元です。
その点、透水性コンクリート平板は水を通すために衣服を汚しにくくなります。
保水性平板
保水性平板は内部に水を貯えることが可能なコンクリート平板です。
保水性内部に貯えた水の気化熱により温度上昇を抑えます。
また、保水性平板には透水性の機能を付加したタイプもあります。
水溜まりが出来にくく、温度上昇も抑えられる点が魅力です。
コンクリート平板の駐車場を作るための条件

コンクリート平板の駐車場を作るためには、駐車場に求められる条件をクリアしなければいけません。
仮に、条件を考えずに施工をするならば破損のリスクが高まるからです。
では、駐車場に求められる条件にはどのようなものがあるのでしょうか。
強度
最初に重要となるのが「強度」です。
駐車場は車が乗る場所なので、強度が十分でなければいけません。
仮に強度が不十分であれば路面は破損してしまいます。
そのため、施工にあたっては、駐車する車を決めて必要な強度をある程度は想定しておくべきです。
また、強度を決めるにあたっては安全性を考慮して安全側に余裕を持たせましょう。
耐久性
耐久性も駐車場には非常に大切です。
というのも、耐久性が足りないならば、駐車場は早い内に破損をしてしまうからです。
なお、耐久性に関しては、構成する素材の強度の他にも耐摩耗性などを確認すれば、ある程度の想定は可能です。
メンテナンス性
駐車場は屋外のため、どうしても汚れてしまいます。
風雨によって汚れますし、チリが降ることもあるでしょう。また、破損する場合もあります。
そのため、駐車場にはメンテナンス性が要求されます。
メンテナンス性のポイントは次の4つです。
- 容易に掃除・修理ができること
- 容易に手に入る道具で掃除・修理ができること
- 汚れにくいこと
- 破損しにくいこと
これらの要素が欠けていると、きれいな状態で駐車場を使えなくなります。
透水性・保水性
舗装面の問題の1つに「水溜まりができやすい」というものがあります。
車に乗り下りする時など、水溜まりがあれば靴や衣服を汚すかも知れません。
しかし、透水性があれば水を下に通してしまうので、水溜まりはできにくくなります。
また、保水性があれば表面温度を気化熱で冷やします。
一般のコンクリート舗装とは異なって熱くなりにくいのです。
コンクリート平板の駐車場の施工費
コンクリート平板の駐車場の施工費は、平板を何枚使うかが目安となります。
例えば、300mm×300mmのコンクリート平板を10枚使えば計算上は約1平米になります。
駐車場を12.5㎡とするならば、コンクリート平板は大体125枚必要です。
コンクリート平板は2,000円~5,000円のため、大体250,000円~630,000円くらいの計算となります。
ただし、コンクリート平板を駐車場に使う場合には、平板を全面に敷くとは限りません。
むしろ、隙間をある程度開けて施工する方が多いです。
その場合は施工費用が安くなります。
駐車場を施工する際の注意点
駐車場を施工する際の注意点を紹介します。
どのような車が乗るか確認しておく
最初に確認すべき点は「どのような車を駐車するか」です。
前にも述べたように、駐車場には必要となる強度があり、その必要強度を算出するには車の重量を知るべきだからです。
ただし、計算する時には余裕を見ることが大切です。
想定以上の重量の車が乗る可能性があるので、安全を見ておきましょう。
下地処理をしっかりと
コンクリート平板は敷く前に地面を慣らして転圧をかけなければいけません。
この処理をいい加減にすると、平板が傾いたり割れたりします。
状態によってはコンクリートを敷くべきでしょう。
ちなみに、平板は大きくなれば破損しやすくなります。
防止するためには下地処理が確実であることが必要です。
DIYでのコンクリート平板の駐車場の施工について
外構工事にチャレンジするDIY愛好家は多いです。
技術レベルには幅がありますが、様々な事例をネットで見ることができます。
では、コンクリート平板の駐車場はDIYで作れるのでしょうか。
DIY施工は基本的には可能
施工は基本的には下地を処理して置くだけなので、DIYでの施工は可能です。
コンクリート舗装のように目地を打ったり、配筋を敷いたりすることも無いので、不可能ではありません。
ただし、コンクリートは重量物です。
駐車場を作る場合には100枚以上の平板が必要な場合もあります。
体力と安全対策が必要となるでしょう。
下地処理は意外と難易度が高い
コンクリート平板の施工には下地処理が必要なのですが、状況によっては下地処理の難易度が上がります。
そのような場合はDIYでの工事は困難です。
仮に、下地処理が上手く行かない状態でコンクリート平板を敷いてしまうと、車が乗った時に割れてしまいます。
資材の手配に労力が必要
コンクリート平板を使った駐車場の場合、駐車場の面積にもよりますが、平板を100枚以上使う場合が少なくありません。
そのため、施工には資材置き場が必要ですし運搬にも労力が必要です。
実際、コンクリート平板の重量は薄いものであっても6kgを超えます。100枚使う場合には600㎏の重量を運ばなければいけません。これは重労働です。
業者に依頼した方がベター
コンクリート平板の工事はDIYでも可能でしょうが、確実性を狙うのであれば専門業者に依頼すべきです。
実際、現場は着工してみないと何が出るかは分かりません。
経験がものを言う場面が少なくないのです。
その点、専門業者であれば技術力と経験があるので、難易度の高い現場であっても対応します。
コンクリート平板以外の駐車場

コンクリート平板以外の駐車場についても解説していきます。
コンクリート舗装
コンクリート舗装はその名の通り、コンクリートを使った舗装です。
住宅用の駐車場によく使われています。
特徴は高い強度と耐久性、そしてメンテナンス性などです。
実際、重量のある車両を止めても問題ありませんし、掃除も比較的簡単です。
その一方で、表面温度が上がりやすい、施工のコストが掛かるといったデメリットも存在します。
スタンプコンクリート
スタンプコンクリートはコンクリート舗装の1種で、コンクリート表面をスタンプ板で型押しをしたものです。
スタンプの型に合わせてデザインを作れるので、バラエティに富んだ駐車場を作ることができます。
スタンプコンクリートのメリットはコストを抑えながら高いスタイリッシュな駐車場を作れる点です
ただし、雨の日は滑りやすくなることが多く、バリアフリーの観点からすると弱点が多いとも言えそうです。
アスファルト舗装
アスファルト舗装はアスファルトをはじめとした石油由来の材料での舗装です。
耐久性が高く施工も簡単、そしてコストも抑えられる点がメリットです。
その一方で劣化などによってひび割れが発生します。
砂利敷
砂利敷きは駐車場に砂利を敷く施工です。
コストが安い点が特徴です。
その一方で砂利を補充する必要がありますし、掃除に手間が掛かる点がデメリットです。
また、複数の車を停めている場合、片方の車をスタートさせると車輪が石を跳ね飛ばして隣の車を傷つける、といったリスクもあります。
人工芝
人工芝は一年を通して緑を楽しむことが可能です。
また、メンテナンス性が良く、掃除機が使えます。
ただし、コンクリートのような強度の高い素材ではないので、車のタイヤが接する部分が破損してしまいます。
そのため、タイヤの部分はコンクリートなどの強度の高い素材を使うことが必要です。
インターロッキング
インターロッキングはブロックをかみ合わせて作る路面です。
ブロックがかみ合っているので、外力が加わった時に効率よく力を分散させます。
インターロッキングの特徴は、美観の他にも透水性や耐久性が優れる点がメリットです。
その一方で、初期費用が掛かる、隙間から雑草が生えるなどのデメリットがあります。
レンガ
レンガも駐車場の舗装材料に使えます。
魅力はその色調で、レトロな雰囲気の演出が可能です。
他のエクステリア製品とも良く合うので、スタイリッシュな外構になります。
しかし、レンガ舗装はフラットの面とならないこともあり、ベビーカーなどを使うと大きな振動が発生することがあります。
タイル
タイルも駐車場にはよく使われます。
タイルのメリットは色と形状のバリエーションが広い点にあります。
レトロなデザインでもシャープな雰囲気でも作れます。
他のエクステリア製品との相性もよく、外構全体をスタイリッシュに飾ります。
また、傷付きにくい点、化学的に非常に安定している点もメリットです。
石張り
駐車場には石材を使うこともあります。
石張りは石材を使った舗装です。
石の魅力を味わえる駐車場が作れます。
また、石は一品物が多いのでオリジナリティ溢れるデザインを作ることも可能です。
ただし、石張りはコストが掛かる場合が多いです。
特に、グレードの高い石を使うと費用が膨らんでしまいます。
まとめ
コンクリート平板を使った駐車場について取り上げました。
コンクリート平板について、あるいは種類について把握できたのではないでしょうか。
また、コンクリート平板以外の舗装についても掴めたことでしょう。
駐車場の舗装は気持ちよく車を使う上でも重要な場所です。
より良い駐車場を作るために、舗装方法を研究してみてはいかがでしょうか。










