自宅の敷地に無断で入られるのは非常に腹立たしいことです。せっかくのマイホームに土足で踏み込まれて頭に来た人も多いのではないでしょうか。
特に、車に入られた場合は事故にも繋がり得るので、絶対に阻止したいものでしょう。
しかし、仮に「入らないでください」という紙を貼ったとしても破る人はいると考えられます。
そこで検討すべきなのが車の侵入対策をした外構です。
エクステリア製品を組み合わせることにより、侵入の阻止が狙えるのです。
この記事では、敷地への車の侵入を阻止する製品を中心に取り上げます。
車の敷地への侵入の問題

最初に敷地への侵入の問題について確認しましょう。
マナーを守るドライバーは多いのですが、困ったことに悪質なドライバーも少なくありません。
こちらの家の敷地内に平気で侵入し、排気ガスをまき散らして行くドライバーはいるのです。
では、このようなドライバーはどのような行動に出るのでしょうか。
ここでは、悪質なドライバーの挙動と侵入対策の必要性について取り上げます。
敷地内で勝手にUターンされる
まず挙げられるのが「敷地内で勝手にUターンされる例」です。
悪質なドライバーはこちらの駐車場に無断で入り込み、勝手にUターンをして行きます。
この侵入は短時間かも知れませんが、やはり腹立たしいものです。
敷地を汚すケースも少なくありません。
例えば、洗濯物を駐車場近くに干していたらどうでしょうか。
状況にもよりますが、排気ガスを洗濯物に掛けられてしまいます。
見えにくいかも知れませんが、立派な実害なのです。
敷地内に勝手に駐車される
オープン外構の場合には敷地を囲っていないために、敷地内に駐車されてしまうケースがあります。
イメージとしては路上駐車です。
ただ、路上駐車と違う点は人の敷地に無断で入ることです。
ちなみに、この駐車の厄介な点は単に車を止めるだけではありません。
道路を占拠してしまい、他の車を通りにくくしてしまう場合があります。
道幅が狭くなると交通事故のリスクも高まることでしょう。
角地でのショートカット
角地でのショートカットはオープン外構の家が狙われる犯行と言えるでしょう。
カーブを曲がるのに敷地内に侵入されるのです。
この行為も腹立たしいものですが、厄介なことに常態化しやすくもあります。
ちなみに、このようなショートカットは車だけでなく、自転車や歩行者も行う場合があります。
敷地への侵入による被害
このように悪質なドライバーは他人の敷地を平気で使います。
このような行為は許すべきではありません。
しかし、侵入を非難することも正当なのですが、どのような被害が発生するかも確認した方がベターです。
そこで、ここでは車の侵入によって発生する被害を確認します。
敷地内での事故
車が入って来ることは事故リスクの発生を意味します。
特に、小さな子供のいる家では子供を事故リスクに晒すことになるのです。
しかも、事故の原因となり得るのは見ず知らずの車です。
場合によってはそのまま逃走される可能性すらあります。
また、物損の事故もあるでしょう。
小さなところでは先に挙げた洗濯物など、大きくなると家屋が被害を受けるかも知れません。
敷地内を汚される
車の侵入は敷地を汚される可能性も持っています。
良い例がタイヤの跡です。
角地の家でショートカットされるとタイヤの跡が付くかも知れないのです。
当然ながら、このようなタイヤの跡をドライバーが掃除してくれません。
精神衛生上の問題
前にも述べましたが、知らない車が敷地に入ることは腹立たしいことです。
そして、仮に車の侵入が常態化するのであれば、気が休まらないことでしょう。
このような精神状態が続くことは良い訳はありません。
ちなみに、ストレスが溜まると不眠が発生し、場合によっては慢性化します。
健康被害を受けることもあるのです。
車の敷地への侵入によるトラブルについて

不法侵入はさまざまな弊害が発生する大きな問題です。
そのため、トラブルにも発展し得ます。
しかし、トラブルに関しては立ち止まって考えた方が良いのではないでしょうか。
ここでは、トラブルをどう捉えるべきかを考えてみましょう。
トラブルはどう捉えるべきか
不法侵入は非常に腹立たしいことであり、法的にもこちらが正しい立場にあるでしょう。
仮に裁判になった場合には、高い確率で勝てるとも思えます。
しかし、裁判には労力が掛かります。
また、悪質ドライバーは1人とは限りません。
1人を法で裁いたとしても、次の悪質ドライバーが現れることも考えられるのです。
無駄な労力と時間を費やすよりは、トラブルに対しては「勝つ」ことを考えるよりも「予防」を考える方がベターではないでしょうか。
トラブルの予防手段
不正侵入に関しては、敷地に入れさえしなければトラブルには発展しません。
そのため、侵入防止がトラブルの予防手段となります。
ここでは、どのような手段が予防に繋がるかを挙げてみましょう。
物理的に入れないようにする
まず挙げられるのが「物理的に入れないようにすること」です。
侵入禁止を狙う外構製品を効果的に使えば、車の不法侵入を予防できます。
例えば、チェーンポールが立っていれば、車は物理的に入れません。
悪質なドライバーであっても、その土地への侵入を諦めるでしょう。
このように物理的に入れなければ不法侵入を防げます。
「入れないこと」をアピールする
次に挙げられるのが「入れないこと」のアピールです。
これには標識のような手段もありますが、置くだけで「入れない」ことを主張するものもあります。
例えば、車止めは立っているだけで「ここから先は入れません」と訴える効果を持ちます。
置くだけでも視覚的、心理的な効果が狙えるのです。
威嚇する
抑止には威嚇も効果的です。
敷地に侵入すると不利益を被ることを知らせるのです。
これに効果的なのが防犯カメラです。
カメラがあればナンバープレートを撮影されるかも知れない…という心理がドライバーの中で働いて、侵入を諦めさせるのです。
侵入対策に有効な外構製品

では、侵入対策に有効な外構製品にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体例を挙げて解説しましょう。
チェーンポール
チェーンポールは路面に立てるパイプ式の車止めです。
パイプ上部にチェーンを張り、車の侵入を防ぎます。
タイプとしては基礎を築いて埋め込むタイプと路面に置くだけのタイプがあります。
また、素材はステンレスのタイプ、プラスチックのタイプがあります。
価格としては路面に固定するタイプが20,000~30,000円程度、置くだけのタイプが5,000円程度からです。
ちなみに、置くだけのタイプは外力が加わると倒れてしまうこともあります。
コストは抑えられるのですが、倒れるのは弱点です。
場所に合わせて決めると良いでしょう。
フェンス
フェンスは間仕切りのアイテム。車を阻む上でも役立ちます。
ところで、フェンスを考えるとブロック塀や独立基礎の工事を思い浮かべるかも知れません。
しかし、車止めの目的であれば、置くだけのタイプのフェンスでも足りる場合が少なくありません。
現場に合わせて使い分けると良いでしょう。
ちなみに、フェンスの価格はタイプにもよりますが、1枚に付き10,000円程度からあります。
プランター
大きいタイプのプランターを置けば、それだけで車の阻止が可能です。
季節の草花も楽しめるので、一石二鳥とも言えるでしょう。
ただし、プランターを置くのには注意が必要です。
後述しますが、境界に気を付けなければいけないのです。
ちなみに、価格は10,000円程度からあります。
植栽
植栽は侵入禁止をアピールするのに優れた効果を持ちます。
また、他のエクステリアとの相性も良く、どこにでも使うことが可能です。
後述しますが、植栽はリアルで生きているので、生命の持つ独自の強みがあります。
例えば、シンボルツリーはたった1本でも強さを感じることでしょう。
なお、植栽は何を植えるか、どれくらい植えるかによってコストが大きく変わります。
その都度見積もりを取って値段を確認することになります。
防犯カメラ
前述のように、防犯カメラは撮影だけでなく威嚇の効果があります。
侵入する側としては敷地内への侵入の証拠映像が撮られるから嫌がります。
また、今のカメラはナンバープレートのみならず、ドライバーの顔の識別も可能です。
なお、防犯カメラの価格は高額なものであれば100,000円を超えますが、安価なものであれば10,000円程度で購入できます。
おしゃれな外構にするポイント

ところで、進入禁止をアピールする外構であっても、家はおしゃれに飾りたいものです。
そのためには侵入対策とデザイン性を両立させなければいけません。
では、どのような点に気を付けるべきでしょうか。
侵入禁止のアイテムの高さ
一般的なフェンスは防犯性を確保しなければいけないので、ある程度の高さは必要です。
しかし、車の侵入を阻止するだけならば、それだけの高さは必要ありません。
「車を阻むだけの高さ」さえ確保されていれば足りるのです。
例えば、住宅用のフェンスであれば高さが1メートルを超えるケースも多いです。
これは侵入者が上りにくくするためです。
しかし、車の場合はそこまでの高さの必要はありません。
デザイン性に優れたアイテムを選ぶ
おしゃれな外構にするためには、デザイン性に優れたアイテムを選ぶべきです。
例えば、車止めにはステンレスの製品からプラスチックの製品まであります。
外観からすると、ステンレスは外観的にも立派ですが、プラスチックは安っぽいです。
このような場合は、当然ながらステンレスのタイプを選ぶべきでしょう。
個々のアイテムのデザインも重視されなければいけないのです。
デザインにはコンセプトが欲しい
おしゃれな外構を作るためには、おしゃれな外構アイテムを揃えることが望ましいです。
しかし、それらを配置すれば良い外構になるとは限りません。
やはり全体のコンセプトは作るべきです。
例えば、コンセプトを「ヨーロッパ」とするのであれば、ヨーロピアンスタイルのフェンスを設置しても良いでしょうし、ガーデニングのアイテムを置いても良いかも知れません。
いずれにせよ、デザインの方向性が決まるので、きれいにまとまります。
しかし、仮にコンセプトを決めずに気に入ったアイテムを並べるだけであれば、統一性も方向性も決まらないことでしょう。
見た目は良いかも知れませんが、まとまりがなく、落ち着かない雰囲気になるかも知れないのです。
外観のデザインに変化を付ける
外構のデザインにおいて「変化」を付けることは非常に重要です。
直線的なデザインも良いのですが、直線ばかりだと三角定規で描いたようなデザインになりがちで、面白くありません。
しかし、変化を付ければ印象が有機的になって面白みが出て来ます。
例えば、スチールの角パイプを溶接して作ったフェンスは直線的な素材のみを使っているので、納めた後も直線的になりやすいです。
「高低差」「素材」「色調」などで変化を付ければ面白くなります。
外構をおしゃれにするためには、このような変化を意識して作るべきでしょう。
素材の工夫
外構のアイテムには多くの素材を使うことが可能です。
車用の侵入禁止の柵においても、金属製のアイテムの他にも様々なものが使えます。
ウッド、レンガ、石材など、まさにアイデア次第とも言えるでしょう。
そして、その素材を工夫すれば、おしゃれな外構の構成は可能です。
色調の違うもの、質感の違うもの、違った素材を組み合わせてオリジナリティあふれる、おしゃれな外構を作りましょう。
コーディネートに気を付ける
デザインはコーディネートにも気を付けるべきでしょう。
ただし、この場合にコーディネートは侵入禁止のアイテムだけでなく、外構全体のコーディネートを指します。
例えば、先に挙げた「ヨーロッパ」であれば、フェンスのみならず門扉などもヨーロッパを意識したタイプを付けるべきでしょう。
また、素材も同じです。
変化も大切なのですが、コーディネートのために合わせることも必要です。
植栽の活用
外構部分において植栽は大きな意義と魅力を持ちます。
外構に設置するアイテムは基本的には無機物だからです。
ウッド製品も確かにあるのですが、ウッド製品はあくまでも工業製品であり、生きてはいません。
その点、植栽は生きている本物の植物です。
侵入禁止を訴える外構は植栽を使っても作ることは可能です。
プランターなどで簡易的なものを作っても、侵入の抑止力にはなるからです。
ただし、プランターを使うにあたってもドライバーから見えなければいけないので、ある程度の大きさが必要となるでしょう。
境界に気を付ける
侵入禁止のアイテムで「置くタイプ」を使う時は「置く場所」に気を付けなければいけません。
自宅の敷地内であれば問題がないかも知れませんが、敷地を超えて置いてしまうとトラブルに発生することもあるからです。
例えば、家を建てる時に道路の関係からセットバックした場所。セットバックした土地は私道になる場合があるのですが、私道だからと言ってプランターを置くことはできません。
置くタイプのアイテムは、あくまでも境界の内側にすることを心掛けましょう。
おしゃれな外構の事例
ここで、侵入対策と両立させる、おしゃれな外構の事例を挙げてみましょう。
ちなみに、車の侵入の抑止を目的とするのであれば、必ずしも高い柵でなくても問題はありません。
むしろ、低い柵であれば、開放的な雰囲気と侵入の抑止が両立するのでおすすめです。
枕木で作る外構
枕木はエクステリアでも多く使われている素材です。
機能門柱として使ったり、フェンスとして使ったりと、様々な場所で登場します。
枕木は車の侵入防止にも使えます。
切断すれば低い柵としても使えるからです。
また、枕木はピンコロなどの石材やタイルともマッチする素材です。
組み合わせ次第でおしゃれな外構ができるでしょう。
レンガで作る低い柵
レンガを使えば柵を作ることが可能です。
低く作れば、開放感を持たせながら車の侵入を阻止できます。
また、レンガは他の素材とも良く合います。
タイルや石材と組み合わせると、おしゃれなスペースとなるでしょう。
コンクリートでシャープに演出
コンクリートはモダンでシャープな雰囲気を演出できる素材です。
スチールなどと組み合わせればスタイリッシュな外構となります。
また、コンクリートは素材としても重厚さを訴えます。
ロックガーデンにする
ロックガーデンは大きめの石を積み上げて作る外構です。
金網などで固定すれば、ある程度は高く作れるので、侵入禁止のための柵にとしても使えます。
石には様々な色と形があるので変化に富む外構とすることが可能です。
トラブルに発展しそうな時はどうするか

トラブルは避けるべきですが、絶対にトラブルにならないとは言い切れません。
では、仮にトラブルになったときには、どのように臨むべきでしょうか。
感情的にならない
争わなければならない時、最初に気を付けるべきなのは「感情的にならない」ことです。
感情的になってしまうと論理が乱暴になったり、支離滅裂になったりして説得力を欠きます。
相手を納得させることもできませんし、仮に法廷に立ったとしても有利には働かないでしょう。
トラブルこそ冷静に対処しなければいけません。
こみ上げて来る感情に押し流されないようにしましょう。
弁護士に相談する
話がこじれると裁判沙汰になり得ます。
そのような場合は早めに弁護士に相談しましょう。
法律を確認することも確かに重要です。
しかし、裁判に勝つには法的知識だけでなく、勝つためのテクニックが必要なのです。
自力救済だけは絶対にしない
敷地内に駐車された場合、「駐車したドライバーが悪いのだから独断で撤去して良い」と考えるかも知れません。
しかし、これは間違いです。絶対に自分で撤去してはいけないのです。
これは「自力救済」と呼ばれる行為です。
法律で禁止されている行為なので、場合によっては法的に不利な立場に立たさるため注意が必要となります。
まとめ
車の敷地への侵入対策について取り上げました。
侵入されることで発生し得る弊害を再確認したので、問題が深刻であることが分かったのではないでしょうか。
また、効果が狙えるアイテムや、おしゃれに納めるポイントも取り上げたので、具体的なイメージが浮かんだ人もいることでしょう。
トラブルまで発展するのは得策ではありません。
外構を工夫して車の侵入を防ぎましょう。










