家づくりにおいて建物の予算で手一杯になり、「外構にはお金をかけられない」と悩む方は非常に多いでしょう。

しかし、お金のかからない外構を目指すあまりに土がむき出しのままだったり、安っぽい仕上がりになってしまってはせっかくの新築の魅力も半減してしまいます。

この記事では、限られた予算の中で「安っぽく見せない」ためのデザインの工夫や、新築時に最低限やっておくべき工事のポイントを詳しく解説します。

賢くコストを抑えて理想のお庭づくりをスタートさせましょう。

目次

外構工事にお金がかかる理由と費用を抑える基本の考え方

外構工事の見積もりを見て、「なぜこんなに高いの?」と驚く方は少なくありません。

外構工事を安く抑えるためには、まず「何に費用がかかっているのか」を知ることが大切です。

ここでは外構工事で発生するコストの理由と、お金をかけずに外構を完成させるための基本的な考え方について解説します。

主に「土を動かす費用」と「人件費」がコストの正体

外構工事の費用が高くなる一番の理由は、「土を動かす作業」と「職人さんの人件費」です。

駐車場を作るために土を掘って平らにしたり、不要な土をトラックで運び出して処分したりする作業には、重機代や処分費など見えないコストが大きくかかっています。

また、ブロックを積んだりコンクリートを塗ったりする作業は、熟練の職人さんの手作業で行われます。
そのため、工事の規模が大きくなったり日数がかかったりするほど人件費がかさみ、全体の費用が高額になってしまうのです。

完璧を目指さず後から育てる庭を前提にする

新築時にすべてを完璧に完成させようとすると、どうしても膨大な予算が必要になります。

お金のかからない外構を実現するには、とりあえず生活できる最低限の状態を目指し、残りは住みながら少しずつ手を加えていく「後から育てる庭」という考え方がおすすめです。

例えば、最初は駐車場と玄関までのアプローチだけを作り、お庭の芝生やウッドデッキなどはお金が貯まってから数年後に作るという方法です。

これなら初期費用を大きく抑えることができます。

ハウスメーカーではなく外構専門業者に直接依頼する

家を建てたハウスメーカーにそのまま外構もお願いすると手間がかからず楽ですが、費用は割高になりがちです。

これは、ハウスメーカーが提携している下請けの外構業者に工事を依頼するため、そこに「仲介手数料(マージン)」が上乗せされているからです。

少し手間はかかりますが、自分たちで直接「外構専門業者」を探して依頼することで、この仲介手数料をカットできます。
これだけで同じ工事内容でも数十万円単位で費用を安く抑えられる可能性があります。

新築外構の平均的な費用相場はいくら?

外構工事にかける予算を決めるためには、まず一般的な相場を知っておく必要があります。

相場を知らないと、提示された見積もりが高いのか安いのか判断できません。

ここでは新築外構にかかる大まかな費用目安について解説します。

土地の広さや工事の規模で変わる費用の目安

外構工事の平均的な費用は、一般的に「建物の建築費用の10%程度」と言われています。

例えば、2,000万円の家なら200万円前後がひとつの目安です。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の費用は「土地の広さ(面積)」によって大きく変動します。

敷地が広ければ、それだけフェンスを立てる距離が長くなり、コンクリートを敷く面積も増えるため、費用は高くなります。
一般的には、最低限の工事で100万円〜150万円、デザインにこだわると200万円〜300万円程度かかることが多いです。

理想をすべて詰め込むとすぐに予算オーバーする現実

「立派なカーポートを付けたい」「目隠しの高いフェンスで囲いたい」など、雑誌やSNSで見つけた理想のアイテムをすべて見積もりすると、あっという間に予算をオーバーしてしまいます。

あれもこれもと欲張るのではなく、本当に今の生活に必要なものは何かを見極めることが重要です。

まずは優先順位の高い設備から取り入れ、予算内に収まるようにプランを引き算していく勇気を持ちましょう。

お金のかからない外構にするための5つの基本テクニック

予算を大幅に削るためには、いくつか知っておくべき定番のテクニックがあります。

ここでは、工事の規模や仕様を見直してコストを賢く削減するための5つの基本的な方法をご紹介します。

これらを意識するだけで、見積もり金額は大きく変わってきます。

門やフェンスを作らないオープン外構を選ぶ

敷地の周りを高いブロックやフェンスでぐるりと囲むスタイル(クローズ外構)は、材料費も工事費も非常に高くなります。

費用を抑えたいなら、道路との境界を壁で遮らない「オープン外構」を選ぶのが一番の近道です。
門扉や高い塀をなくすだけで、数十万円の節約になります。

防犯面が心配な場合は家全体を囲うのではなく、リビングの窓の前など視線が気になる部分にだけ目隠しフェンスを設置するなど、部分的な対策にとどめましょう。

使う素材の種類や色を少なくして統一感を出す

外構のデザインを考える際、レンガ・タイル・天然石など、いろいろな種類の素材を使いたくなるかもしれません。

しかし、多くの素材を使うと、それぞれの材料を少しずつ仕入れることになり、材料費の無駄が出やすくなります。
また、作業工程も複雑になるため職人さんの手間賃も上がります。

使う素材は2〜3種類に絞り、色合いもシンプルなものに統一しましょう。

コストが下がるだけでなくデザインにまとまりが出て、結果的にすっきりと洗練された印象に仕上がります。

コンクリートを流す面積をギリギリまで減らす

駐車場やアプローチ周りで多用される「土間コンクリート」は雑草が生えず耐久性も高いですが、施工費用が高いのが難点です。

そのため、コンクリートを流し込む面積を極力減らすことが大幅なコストダウンにつながります。

例えば、駐車場全面をコンクリートにするのではなく、車のタイヤが乗る部分だけをコンクリートにし、それ以外の部分は安い砂利や人工芝にするという方法です。
これだけでも費用を数万円〜十数万円単位で浮かせることができます。

ホームセンターやネットで部材を自分で買う

ポスト・表札・外用の照明・シンボルツリーの苗木など、自分で用意できそうなものはホームセンターやインターネット通販で安く購入し、業者に取り付けだけをお願いする「施主支給(せしゅしきゅう)」という方法があります。

業者が用意するカタログ品よりも安く手に入ることが多く、好みのデザインを見つけやすいのもメリットです。
ただし、業者によっては持ち込み品の取り付けを断られたり、保証の対象外になったりすることもあるので契約前に必ず相談しておきましょう。

外構の専門業者から複数の見積もりをとって比べる

外構工事には定価がないため、同じ希望を伝えても業者によって見積もり金額に大きな差が出ます。

そのため、必ず2〜3社の外構専門業者から「相見積もり」を取り、金額やプランを見比べることが重要です。
複数社を比較することで、適正な価格の相場がわかるようになります。

また、「A社はこんなに安かった」と他社の見積もりを引き合いに出すことで、値引き交渉がしやすくなるというメリットもあります。

新築時にこれだけはやっておくべき最低限の外構工事4選

予算が厳しい場合でも、生活を始めるにあたって最初にやっておかないと後悔する外構工事があります。

ここでは安全で快適な生活のために、入居前に最低限済ませておきたい4つの外構工事について解説します。

敷地の境界線をはっきりさせるブロックやフェンス

隣の家や道路との境界線を明確にすることは、ご近所トラブルを防ぐために最も重要です。

境界が曖昧なままだと、どこまでが自分の敷地かで隣家と揉める原因になります。

高い目隠しフェンスである必要はありません。
境界線に沿って低いコンクリートブロックを1〜2段積み、その上に安価なメッシュフェンスを立てるだけでも十分です。
これなら費用を抑えつつ、敷地をしっかりと区切ることができます。

車を停めるための駐車場と乗り入れ口

車を所有している場合は駐車場の整備がほぼ必須です。

駐車場が土のままだと雨の日に車がドロドロに汚れ、靴についた泥をそのまま玄関に持ち込んでしまうことになります。

最低でも車を停めるスペースには砂利を敷き詰め、道路からスムーズに乗り入れができるように段差を解消する工事は行っておきましょう。

毎日使う場所だからこそ初期段階での対策が必要です。

玄関まで安全に歩けるアプローチ

道路から玄関のドアへと続くアプローチも早めに整えておきたい場所です。

毎日の出入りで歩く場所が歩きにくいとストレスが溜まりますし、雨の日に滑って転倒する危険もあります。

コンクリートの平板を並べたり歩く部分だけコンクリートで固めたりして、靴を汚さずに安全に玄関までたどり着ける動線を確保しておきましょう。

入居後すぐに悩まされる雑草対策

庭の土をそのままにしておくと、春から夏にかけてあっという間に雑草が生い茂り、草むしりの重労働で大変です。

新築の家が草だらけの庭のせいで、古びて見えてしまうこともあります。

予算がない場合は、ホームセンターで防草シートを買ってきて敷き詰め、その上に安い砕石を敷いておくだけでも効果は絶大です。

これだけでもやっておくと、その後の管理が劇的にラクになります。

予算を削っても「安っぽく見せない」おしゃれなデザインのコツ

お金をかけないからといって、無機質で寂しい外構になってしまうのは避けたいところ。

実は、少しの工夫と見せ方次第で安い素材を使っておしゃれに見せることも可能です。

ここでは、安っぽく見せずにおしゃれなデザインの外構にするためのコツをご紹介します。

駐車場のコンクリートの隙間にタマリュウや人工芝を植える

駐車場のコンクリートは、ひび割れを防ぐために数メートル間隔で目地(スリット)と呼ばれる隙間を空けます。
この隙間にコンクリートや砂利を詰めるのではなく、植物の「タマリュウ」を植えたり、緑が鮮やかな人工芝を入れたりしてみましょう。

無機質なグレーのコンクリートに緑色のラインが入るだけで一気に温かみとデザイン性が生まれ、全体の印象がグッと洗練されます。
材料費も安く済むおすすめのテクニックです。

安いメッシュフェンスは植物を這わせて隠す

境界線によく使われるスチール製のメッシュフェンスは安価な反面、見た目が少し無骨で安っぽく見えがちです。

そこでおすすめなのが、フェンスの足元にツル性の植物(アイビーやヘデラなど)を植えて、フェンスに這わせるという方法です。

植物が成長してフェンスを覆うと、まるでヨーロッパの庭園にある緑の生垣のようなおしゃれな雰囲気に変わります。

玄関まわりは少し良い素材を使って視線を集める

家全体の予算を削る場合でも、家の顔となる玄関まわりだけは、少しこだわりの素材を使いましょう。

例えば、門柱に質感の良いタイルを貼ったり、おしゃれなポストや表札を選ぶことです。
人間の目は、パッと目立つ一部分が上質だと、無意識に「全体的に立派な外構だ」と錯覚する心理があります。

玄関周りにメリハリをつけることで、安っぽさを感じさせない空間を作ることができます。

夜の雰囲気を格上げする安いLED照明を活用する

夜の外構を美しく見せるためには、照明が非常に効果的です。

シンボルツリーを下から照らしたり、アプローチの足元を優しく照らしたりするだけで、昼間とは全く違う高級感を演出できます。

今は太陽光で充電できる安価な「ソーラー式LEDライト」がネット通販などで手軽に買えるため、電気工事も不要です。
自分で地面に挿すだけで簡単に設置できるため、お金をかけずにおしゃれ度をアップさせることができます。

【場所別】お金のかからない外構のアイデアとおすすめ素材

外構工事では選ぶ素材によっても価格が大きく変わります。

ここでは、駐車場・アプローチ・フェンス・庭といった場所ごとに、コストパフォーマンスに優れたおすすめの素材とアイデアを紹介します。

駐車場は砂利敷きやタイヤが乗る部分だけコンクリートに

駐車場を安く済ませるなら、全体を砕石(砂利)にするのが一番です。

しかし、砂利だけだとタイヤが沈み込んだり、小石が道路に散らかるデメリットがあります。

そこでおすすめなのが、車のタイヤが通る2本のラインだけをコンクリートにして、残りのスペースを砂利や芝生にする方法です。
これなら駐車のしやすさと見た目の良さを保ちながら、全面コンクリートの半額近くまで費用を抑えることができます。

アプローチは枕木や飛び石を並べてナチュラルに仕上げる

玄関までのアプローチにタイルや石を敷き詰めると高額になります。

お金をかけないナチュラルなアプローチを作りたいなら、コンクリート製の擬木(本物の木のように見えるコンクリート)や「飛び石」を等間隔に並べるスタイルがおすすめです。
すき間には砂利や細かい植物(グランドカバー)を敷き詰めます。材料費が安いだけでなく、職人さんの作業工程も減るため、施工費全体を大きく削ることができます。

境界線のフェンスはスチール製を選ぶ

隣地との境界に設置するフェンスは、距離が長くなるため素材選びが重要です。

一般的に、目隠し用のデザイン性が高いアルミフェンスは価格が高めです。

見た目よりも境界を区切る機能を優先するなら、網目状になっているスチール製のメッシュフェンスを選びましょう。
アルミフェンスに比べて価格が大幅に安く、風通しも良いため強風で倒れるリスクも減らせます。

庭の雑草対策は防草シートと安い砂利を組み合わせる

お庭の雑草対策には、コンクリートで固めたり人工芝を敷いたりする方法がありますが、どちらも費用が高くなりがちです。

最も安上がりで効果的なのは「防草シート+砕石(砂利)」の組み合わせです。
色のついた綺麗な化粧砂利ではなく、道路の路盤などに使われる安価な砕石を選べば材料費を劇的に抑えられます。

人が歩くとジャリジャリと大きな音が鳴るため、防犯対策にもなり一石二鳥です。

花壇や家庭菜園はレンガを置くだけの簡易的なものにする

庭に花壇や家庭菜園を作る際、レンガやブロックをモルタル(セメント)でしっかりと固定して積むと、材料費も職人の手間代もかかります。

花壇を安く済ませるなら、ホームセンターで買ってきたレンガや仕切り用のプラスチックボードを並べるだけの簡易的な花壇にしましょう。

これなら費用を抑えることができ、将来花壇の場所を変えたくなった時にも簡単にやり直せます。

まとめ

お金のかからない外構を実現するためには、「今の生活に絶対に必要なものは何か」を見極め、優先順位をつけることが最も重要です。

駐車場やアプローチ、境界のフェンスなど、毎日の安全と快適さに関わる部分はプロにしっかり任せましょう。

そのうえでオープン外構を取り入れたり、素材をシンプルにまとめたりすることで、数百万円単位のコストダウンも夢ではありません。

この記事で紹介したアイデアを活用して、予算を抑えつつも安っぽく見えないあなただけの素敵な外構づくりを成功させてください。