マイホームの駐車場にカーポートを設置する際、意外と多くの方が高さの選び方で失敗して後悔しています。
「大きい方が良いと思って高くしたら雨が吹き込む」
「見た目重視で低めにしたらトランクが屋根にひっかかる」
など、高さに関するトラブルは後を絶ちません。
カーポートは一度設置すると、簡単に高さを変更することができない大きな買い物です。
この記事では、カーポートの高さ選びでよくある失敗事例とその原因、そして最適な高さを決めるためのポイントや対策について分かりやすく解説します。
カーポートの高さ選びでよくある5つの失敗
カーポートを設置した後に「もっと高さを考えればよかった」と気づくケースには、いくつかの共通するパターンがあります。
ここでは、特に多くの方が直面する5つの失敗事例をご紹介します。
事前に失敗事例を知っておくことでご自宅に設置する際の具体的なイメージが湧き、同じ間違いを防ぐためのきっかけになります。
高すぎる場合と低すぎる場合でそれぞれのデメリットを見ていきましょう。
高すぎて雨や雪が横から吹き込んで車が濡れる
カーポートの屋根を高くしすぎると、屋根と車との間に大きな空間が生まれます。
その結果、少しでも風が吹いていると雨や雪が横から簡単に吹き込んでしまう状態になってしまいます。
特に冬場の朝は本来カーポートで防げるはずの霜が高さのせいでフロントガラスについてしまい、忙しい朝に霜取りの作業が発生してしまうこともあります。
雨よけ、雪よけというカーポート本来の役割が十分に果たせなくなってしまうため、必要以上の高さには注意が必要です。
高すぎて強風で屋根が煽られる
屋根の位置が高いということはそれだけカーポートの柱が長く、風を受ける面積や風が通り抜ける空間が広くなることを意味します。
台風や強風の日に屋根が大きく揺れ、壊れないかと不安になるということも少なくありません。
柱が長くなるとテコの原理が働きやすくなり、基礎部分や柱の根元にかかる負担も大きくなります。
風の通り道になりやすい立地にお住まいの場合、高すぎるカーポートを選ぶと強風による破損のリスクを高めてしまうことになります。
高すぎて家の窓やバルコニーからの景色を邪魔してしまう
駐車場のすぐ後ろや横にリビングの窓がある場合、カーポートの屋根が高すぎると窓からの景色が屋根で塞がれてしまうことがあります。
せっかくの日当たりが悪くなったり、部屋の中が暗く感じられたりして後悔するケースです。
また、2階のバルコニーや窓のすぐ下にカーポートの屋根がある場合、屋根に積もった土埃や鳥のフンなどの汚れが2階から丸見えになってしまい、景観を損ねるという失敗もあります。
家全体とのバランスを考えずに高さを決めてしまうと起こりがちな問題です。
低すぎて圧迫感があり毎日の乗り降りがしにくい
雨の吹き込みを気にしてカーポートを低くしすぎると、今度は駐車スペース全体に強い圧迫感が生まれます。
車に乗り降りする際や荷物を積み下ろしする際に、屋根が頭のすぐ近くにあるため窮屈に感じてしまうのです。
特に身長の高いご家族がいる場合や、傘をさしたまま車のドアを開け閉めするような雨の日は、屋根に傘や頭がぶつかりそうになり、毎日の動作に小さなストレスを感じることになります。
快適な駐車場にするためには、ある程度の開放感も必要です。
低すぎて車のトランク(バックドア)が屋根にぶつかる
ミニバンやSUVなど、後ろのドア(トランク)が上に大きく跳ね上がるタイプの車に乗っている方に最も多い失敗です。
車自体の高さはカーポートの下に収まっていても、トランクを全開にしたときにドアの先端が屋根や梁に激突してしまいます。
これでは買い物の荷物を積み下ろしするたびに、トランクのドアを手で押さえて途中で止めなければならず非常に不便です。
最悪の場合、車のドアに傷がついてしまったり、カーポートの屋根材を破損させてしまったりする恐れもあります。
カーポートの高さ選びで失敗する3つの原因
カーポートの高さ選びの失敗はなぜ起きてしまうのでしょうか。
こうした失敗の主な原因は、事前の確認不足と思い込みにあります。
そこで、多くの方が陥りがちな3つの原因について詳しく解説します。
今乗っている車のサイズだけで安易に決めてしまった
現在乗っている車の全高だけを確認して、それにギリギリ収まる高さのカーポートを選んでしまうのが一番多い原因です。
車は乗り降りの際に人が動く空間が必要ですし、トランクを開ける動作もあります。
とくにセダンやコンパクトカーに合わせて低いカーポートを設置してしまうと、数年後に家族が増えて背の高いミニバンに買い替えたくなった時、車がカーポートに入らないというケースも多くあります。
こうなると、買い替えを断念するかカーポートを作り直すかという厳しい選択を迫られることになります。
駐車場の地面にある傾斜(水勾配)を計算に入れていなかった
一般的な駐車場は、雨水が道路側へ流れるように少しだけ斜めに作られています。
これを「水勾配(みずこうばい)」と呼びます。
この傾斜を忘れてカーポートの高さを決めてしまうと、大きな失敗につながります。
道路側に向かって地面が下がっている場合、道路側の柱の付け根と家側の柱の付け根では地面の高さが異なります。
もし家側に車のトランクが来るように駐車する場合、家側の地面が高くなっている分トランクが屋根にぶつかりやすくなってしまうのです。
車の上のルーフボックスやアンテナの存在を忘れていた
アウトドアが趣味で屋根の上にルーフボックスやキャリアを積んでいたり、車の屋根に少し長めのアンテナが立っていることを忘れて高さを決めてしまうケースもあります。
普段はルーフボックスを外していて見積もりの際にそのことを忘れており、いざカーポートを設置したら屋根にルーフボックスを載せるスペースがないという事態も起こり得ます。
カーポートを設置する際は、必ず普段の生活を一通りシミュレーションして、最低限必要な高さを考えてから設置を検討しましょう。
カーポートの柱の高さは主に3種類
カーポートの高さは、支える「柱の長さ」によって決まります。
多くのメーカーでは、主に3つの高さのバリエーションを用意しています。
ご自身の乗っている車や、将来の計画に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
ここではそれぞれの柱の高さの目安と、どのような車に向いているのかを解説します。
以下の表に各柱の一般的な名称と高さの目安をまとめました。
| 柱の種類 | 高さの目安 |
| 標準柱 | 約200cm〜220cm |
| ロング柱 | 約230cm〜250cm |
| ハイロング柱 | 約280cm〜300cm |
標準柱(高さ約200cm〜220cm)の特徴
標準柱は、最もベーシックで高さが低いタイプの柱です。
有効な高さは約200cmから220cm程度となります。
屋根が低いため雨の吹き込みが少なく、雨よけとしての機能が最も高く発揮されるのが特徴です。
この高さがおすすめなのは、セダン・コンパクトカー・軽自動車など、車高が低めの車に乗っている方です。
ただし、近年人気の軽トールワゴンなど背の高い軽自動車や、将来的にミニバンに乗り換える可能性がある場合は高さが足りなくなる恐れがあるため注意が必要です。
ロング柱(高さ約230cm〜250cm)の特徴
ロング柱(またはハイルーフ柱)は標準柱よりも約30cmほど高く作られた柱で、高さの目安は約230cmから250cmです。
現在のカーポート選びにおいて、一番人気があり標準的に選ばれている高さと言えます。
ミニバンやSUVなどの背の高い車でも余裕を持って駐車でき、トランクを開けても屋根にぶつかりにくい絶妙な高さです。
乗用車であればほとんどの車種に対応できるため、将来車を買い替える際にも安心です。
基本的には迷ったらこのロング柱を選んでおくのが無難でしょう。
ハイロング柱(高さ約280cm〜300cm)の特徴
ハイロング柱は3つの中で最も高いタイプの柱で、高さの目安は約280cmから300cm程度になります。
キャンピングカーなどの特殊な車高の車を停める場合や、どうしても家の窓やひさしを避けて高い位置に屋根を設置したい場合に選ばれます。
背の高い車を停められるメリットがありますが、屋根が高い分だけ雨が吹き込みやすくなり、強風の影響も受けやすくなるというデメリットがあります。
そのためハイロング柱を選ぶ場合は、後述するサイドパネルの設置など雨風への対策をセットで検討することをおすすめします。
カーポートの最適な高さを決めるための5つのポイント
失敗事例と原因、そして柱の種類を理解したら、実際に家の最適なカーポートの高さを決めていきましょう。
ただ何となく高さを選ぶのではなく、しっかりとした基準を持つことが大切です。
ここでは、設置前に必ず確認しておきたい5つのポイントを順番に解説します。
車の屋根からプラス30cmから50cmの余裕を持たせる
カーポートの屋根の高さは、駐車する車の全高に30cmから50cmの余裕分を持たせるのが理想的なバランスです。
これだけの余裕があれば、圧迫感を感じることなくスムーズに乗り降りができますし、屋根からの熱も車に伝わりにくくなります。
例えば車の高さが180cmの場合、それに30cm〜50cmを足すと210cm〜230cmが最適な高さとなります。
この場合だと、標準柱のギリギリを狙うよりもロング柱(約230cm〜)を選んでおくことで、ゆとりがあって快適な駐車スペースを実現できます。
トランクを全開にしたときの最大の高さを測る
ミニバンやSUVの場合、カタログの車高だけでなく後ろのトランク(バックドア)を一番上まで全開にしたときの地面からの高さを、実際にメジャーで測ってみてください。
車種によってはトランクを開けた時の高さが220cmを超えることも珍しくありません。
このカーポートの屋根や梁にぶつからない最大の高さを確保することが必須です。
もし後ろ向きに駐車するなら、カーポートの後方部分の高さがどれくらいになるかを入念に確認しましょう。
道路に向かって下っている地面の傾斜を確認する
駐車場には水はけのための傾斜(水勾配)がついています。
道路側よりも家側の方が地面が高くなっているため、カーポートを水平に設置した場合、家側にいくほど「地面から屋根までの高さ」は少し低くなります。
特に奥行きのある大きなカーポートを設置する場合や、傾斜がきつい土地の場合は、前と後ろで数十センチの高さの違いが出ることも考えられます。
業者に現地を見てもらう際には、この水勾配を考慮した上で一番低い部分でも車が干渉しないか計算してもらいましょう。
家の窓やひさしにカーポートの屋根が当たらないかチェックする
カーポートを建物のすぐ近くに設置する場合は、家の外壁にある窓・ひさし・雨樋(あまどい)・換気扇のフードにカーポートの屋根がぶつからないか確認しなければなりません。
窓の開け閉めの邪魔にならないか、1階の窓からの景観や2階のバルコニーからの落雪があたる位置ではないか等、家とカーポートの立体的な位置関係をシミュレーションすることが重要です。
カーポートと家との干渉が考えられる場合、あえて高い柱や低い柱を選ぶという判断も必要になります。
将来的に大きな車へ買い替える可能性も考慮する
今乗っている車だけでなく、次に乗るかもしれない車のことも考えて高さを決める必要があります。
今は軽自動車に乗っていても、子どもが生まれたらファミリー向けのミニバンに買い替えるかもしれません。
もし将来少しでも背の高い車に乗る可能性があるなら、迷わずロング柱(約230cm〜)を選んでおくことをおすすめします。
一度低いカーポートを建ててしまうと後から柱を伸ばすことはできないため、将来への投資としてゆとりを持たせておきましょう。
必要な高さと雨風の対策を両立する4つの解決策
家との干渉を避けたり背の高い車を入れたりするために、どうしても一番高いハイロング柱を選ばなければならないケースもあるでしょう。
しかし、高くすると雨の吹き込みや強風への不安も残るのではないでしょうか。
そこでカーポートの高さを確保しつつ、雨風の影響を最小限に抑えるための4つの解決策をご紹介します。
これらを組み合わせることで、ハイロング柱のカーポートでも快適な駐車場を実現できます。
サイドパネルを取り付けて横からの雨風を防ぐ
屋根が高くて横から雨が吹き込んでしまう問題には、カーポートの側面に「サイドパネル(側面パネル)」というオプションを取り付けるのが最も効果的です。
側面をパネルで覆うことで、横殴りの雨や雪そして風の吹き込みを物理的にブロックできます。
サイドパネルは目隠し効果もあるため、お隣さんや道路からの視線を遮りたい場合にも役立ちます。
全面を覆うタイプから、上半分だけを覆うタイプまで種類があるので、予算や希望に合わせて選ぶことができます。
サポート柱で強風への耐久力を高める
片側だけで屋根を支えるタイプのカーポートを高くすると、強風で屋根が揺れやすくなります。
この揺れを抑え、耐久性を高めるために有効なのが「着脱式サポート柱」の追加です。
サポート柱は普段邪魔にならないようにしまっておき、台風が近づいてきた時や強風の日にだけ屋根の端から地面に向かって、突っ張り棒のように設置する補助用の柱です。
これがあるだけで、高いカーポートでも風による倒壊や破損のリスクを大幅に軽減できます。
カーポートの設置場所を工夫して建物の壁に近づける
カーポートを家の外壁にできるだけ近づけて設置するというのも風雨対策の一つです。
建物の壁が風よけの役割を果たしてくれるため、カーポート単独で建っているよりも風の煽りを受けにくくなります。
また、家の壁に近い方の側面からは雨が吹き込みにくくなるため、乗り降りの際の濡れを防ぐ効果もあります。
ただし、あまり壁に近づけすぎると地震の際にカーポートが揺れて外壁にぶつかる可能性もあるため、適度なすき間を取るよう業者と相談してください。
風に強い頑丈なタイプのカーポートを選ぶ
風が強い地域にお住まいで、かつ高いカーポートを設置したい場合はアクリル板などの軽い屋根材をアルミの枠で囲った一般的なカーポートではなく、折板(せっぱん)屋根と呼ばれる金属製の頑丈な屋根を持つカーポートを選ぶのも一つの手です。
折板カーポートは、太い4本の柱でしっかりと金属の屋根を支えるため、耐風圧強度が非常に高く、台風や大雪にも耐えられる強靭さが特徴です。
デザインは少し武骨になりますが、高さを出しても安心して使い続けることができます。
カーポートの高さに合わせて考えたい幅と奥行き
カーポート選びでは「高さ」にばかり注目してしまいがちですが、快適な駐車場にするためには「幅」と「奥行き」のサイズ選びも重要です。
高さは十分でも、幅や奥行きが足りないと車の乗り降り等で使い勝手の悪いカーポートになってしまいます。
ここでは高さとセットで確認しておくべき、幅と奥行きの考え方について解説します。
ドアをスムーズに開け閉めできる横幅を確保する
カーポートの横幅は車の車幅に加えて、人が乗り降りするためにドアを開けるスペースが必要です。
片側のドアだけを開けるならプラス約70cm、両側のドアを開けるならプラス約140cmほどの余裕を見ておきましょう。
もし駐車場に自転車やバイクも一緒に停めたい場合は、さらにその分のスペースを横幅に確保する必要があります。
また、雨の日に傘をさしたまま車の横を通り抜けられるかどうかも、幅を決める際の重要なチェックポイントです。
後ろに回って荷物を出せるだけの奥行きを用意する
カーポートの奥行きは車の全長がすっぽり収まるサイズを選ぶのが基本ですが、それだけでは不十分です。
車の後ろ側に回ってトランクを開け、荷物を出し入れするスペースとして車の全長プラス約60cm以上の余裕を持たせるのが理想です。
奥行きがギリギリだと、トランクを開けた時にカーポートの屋根からはみ出してしまい、雨の日の買い物の片付けで自分が濡れてしまうことになります。
敷地が許す限り、奥行きには少しゆとりを持たせたサイズを選ぶと失敗がありません。
高さ選びに迷ったときに失敗を避ける3つのコツ
「結局自分の家にはどの高さが正解なのか分からない」と迷ってしまう方も多いでしょう。
どうしても高さ選びに迷った際に、取り返しのつかない失敗を避けるための3つのコツをお伝えします
迷ったときはこの基本をもとにカーポートの設置を検討してみてください。
ギリギリの低さより少し高めを選ぶ
一番確実なのは「迷ったら、一段階高い方を選ぶ」というルールです。
標準柱かロング柱で迷ったらロング柱を、ロング柱かハイロング柱で迷ったら、後々の不便さを考えてハイロング柱を検討します。
なぜなら、カーポートは「後から高くすることはできないが、高くしたことによるデメリット(雨の吹き込みなど)は、サイドパネルなどのオプションで後から対策ができる」からです。
大は小を兼ねるという考え方が、カーポートの高さ選びにおいては有効であると考えても良いでしょう。
専門の業者に現地へ来てもらって正確に採寸してもらう
地面の傾斜や家との障害物の位置関係などを正確に把握するには、プロでなければ難しい部分があります。
カタログだけを見てネットで注文するのではなく、一度必ず外構の専門業者に現地調査を依頼しましょう。
現地調査では、業者がレーザーなどの専門的な道具を使って地面の高低差を正確に測り、車のトランクの軌道や窓への干渉がないかをプロの目線でチェックしてくれます。
現地でのプロの判断が、失敗を防ぐ最大の防御策になります。
複数の業者から意見を聞いて一番納得できる提案を選ぶ
現地調査を依頼する際は、できれば1社だけでなく2〜3社の業者に見てもらう「相見積もり」をおすすめします。
業者によって経験値や提案の仕方が異なるため、例えばA社は「標準柱でギリギリ入りますよ」という意見が、B社だと「傾斜があるからロング柱にしないとトランクが当たります」とA社から聞かなかった提案をしてくれる場合もあります。
複数のプロの意見を聞き比べて、なぜその高さが最適なのか納得のいく提案を選ぶのが確実です。
まとめ
カーポートを設置する際は単に車の高さだけを見るのではなく、トランクの開閉・地面の傾斜・将来の買い替え、そして雨風への対策など様々な要素を組み合わせて考える必要があります。
高すぎても低すぎても不便が生じるため、ご自宅の環境とライフスタイルに合わせた良いバランスを見つけることが大切です。
まずは今お乗りの車の寸法を測り、家族でどのような使い方をするのかを話し合い、最終的な判断は外構のプロによる現地調査を経て決定しましょう。











