マイカーが不可欠な地域は少なくありません。

1人1台の地域も多く、通勤だけでなく、買い物などにも使われています。

しかし、そのような地域の人が十分な駐車場を設けられる土地に住んでいるとは限りません。
駐車に困っている家は多いのです。

そのような世帯におすすめなのが、玄関アプローチ兼駐車場です。

この記事では玄関アプローチ兼駐車場について取り上げ、どのような駐車場なのかをメリットや施工方法と一緒に欲しいアイテムを紹介します。

玄関アプローチ兼駐車場とは

まずは玄関アプローチ兼駐車場とは何かを解説します。

玄関アプローチ部分と駐車スペースを兼用

玄関アプローチ兼駐車場とは、その名の通り、玄関アプローチ部分を駐車場としても使えるようにした外構のスタイルです。

玄関アプローチは敷地内に入った地点から玄関ドアまで至る通路です。
そして、その部分はあくまでも通路として使われます。

しかし、玄関アプローチ兼駐車場はその通路部分を拡充してマイカーを停められるようにします。
それによって敷地の有効活用が可能になるなどのメリットが発生するのです。

おしゃれな舗装も可能

玄関アプローチ兼駐車場は車を停めるだけの面積を設定します。
その面積は意外に広いです。

そのような舗装面ですが、おしゃれな舗装が可能です。
広い面積を装飾するので、家全体がスタイリッシュになります。

また、他のエクステリアのアイテムとコーディネートをすれば更におしゃれな外構が作れます。

ちなみに、舗装の材料としてはタイルや石材などのファッショナブルなものがあります。
活用すればおしゃれで面白い家となるでしょう。

玄関アプローチ兼駐車場のメリット

玄関アプローチ兼駐車場のメリット

ここで玄関アプローチ兼駐車場のメリットを紹介しましょう。

敷地の有効活用に繋がる

玄関アプローチ兼駐車場は敷地の有効活用に繋がります。

玄関アプローチと駐車場を兼ねれば、駐車場の部分だけスペース的に余裕が生じるからです。

普通乗用車の1台分の駐車場の広さは2.5m×6.0m、4.5坪と国土交通省の指針では出ています。
その面積と玄関アプローチの面積を兼ねれば4.5坪の余裕が生まれるのです。

なお、これだけの面積があればウッドデッキやタイルデッキを作れます。

ウッドデッキやタイルデッキは休日のユーティリティスペースとしても活用が可能です。

コストダウンに繋がる

玄関アプローチ兼駐車場はコストダウンにも繋がります。
これは別途に駐車場を設けることがないから、敷地の有効活用ができるためです。

駐車場を別途に作るためには敷地に余裕が必要です。
当然ながら、広い敷地を購入するためには費用が発生します。

しかし、玄関アプローチ兼駐車場は土地の有効活用が可能であり、購入費用が抑えられます。

周囲とのコーディネートがしやすい

玄関アプローチ兼駐車場は周囲とのコーディネートがしやすい点もメリットと言えます。
これは、駐車場と他のエクステリアが近いためです。

その点、駐車場とアプローチが別の外構であれば距離的にも離れるためコーディネートがしにくいです。

素材を似たものにしても距離的に離れているので、どうしても分割したように見えてしまいます。

玄関から車まで近い

玄関アプローチ兼駐車場は玄関から車まで近い点もメリットです。

これは物理的に玄関が近いためです。
雨の日などはそれほど濡れることはないでしょう。

その点、他の外構のように駐車場が離れていると、雨の日などは濡れてしまいます。

ユーティリティスペースとしても活用が可能

玄関アプローチ兼駐車場はユーティリティスペースとしても活用が可能です。

例えば、車が出ている夏場など、ビニールプールを設置して子供を遊ばせることもできるでしょう。

家族で花火なども楽しめるかも知れません。

ユーティリティスペースとしての用途はアイデア次第で広がるのです。

施工する際のポイント

玄関アプローチ兼駐車場を施工する際のポイント

次に、玄関アプローチ兼駐車場を施工する際のポイントを挙げてみます。

素材を変える

構成する素材を1つだけでなく、複数の違った素材を使えば変化が生まれるので面白くなります。

例えば、タイルを前面に敷くと美しくなるのですが、画一的になってしまうことでしょう。
しかし、タイルに石材を加えたならば変化が生まれます。

フラットなタイルにゴツゴツした石を合わせれば、表面の質感が異なるので変化に富むのです。

植栽を上手く使う

玄関アプローチ兼駐車場に植栽を取り入れると、生命感が出て来て躍動感に溢れます。

例えば、シンボルツリーを植えると外構全体に生命感が出て来ます。
また、それに合わせて低木を植えるのも面白いです。

デザインのコーディネートを意識する

外構のデザインはコーディネートが非常に大切です。

コーディネートができていないと、全体の統一感が失われ、時として不格好になる場合さえあります。

しかし、コーディネートを意識して外構を考えるならば、エクステリア全体がまとまります。

その点は玄関アプローチ兼駐車場も同じです。
コーディネートを意識することがエクステリア全体をデザインする上で重要なのです。

なお、全体のデザイン性を向上させるためにはコンセプトを決めるのがおすすめです。
コンセプトを決めれば、各エクステリア製品の選択もしやすくなるでしょう。

お客様が入りやすいようにする

玄関アプローチは人が玄関まで入りやすく作ることがポイントです。

特に、来客時にお客様が入りやすくすることが重要となるでしょう。
そのためには通路としての幅も十分でなければいけません。

また、意外に忘れがちなのがポストとの位置関係です。
配達人がスムーズに作業ができるように設置したいものです。

玄関アプローチ兼駐車場の施工の注意点

玄関アプローチ兼駐車場の施工の注意点

次に、施工上の注意点を取り上げます。

アプローチに十分な広さがあるかを確認する

アプローチに十分な広さがあるかを確認しましょう。

前述のように駐車場は2.5m×6.0mのスペースが必要ですし、アプローチとしては人が通るだけの通路分の幅が必要です。

しかも、人もギリギリ通るのでは十分とは言いにくいです。
荷物の運搬も考慮して十分な幅を設けなければいけません。

また、自転車の駐輪も考えるならば、駐輪スペースの確保も必要でしょう。

他にも、火災などの災害発生には避難経路となるので塞ぐようなものがあってはいけません。

動線に配慮する

帰宅時の動線に注意することも大切です。
敷地に入って玄関ドアに至るまでの動線を考えながら構成を考えるべきでしょう。

特に注意が必要なのはポストの位置と照明器の配置です。

ポストは動線上にないと受け取り忘れの可能性が出て来ますし、照明器の配置を間違えると暗がりができてしまうからです。

なお、玄関アプローチ部分に暗がりを作ってしまうと、防犯上の問題が発生するので注意が必要です。

植栽の配置に注意

植栽の配置も注意が必要です。

アプローチの部分の配置場所を誤ると通行に支障がでる場合があるからです。

例えば、通路に差し掛かる部分で植栽が茂り、枝葉が伸びてしまうと通路を塞ぐかも知れません。

植栽は剪定などの管理が前提にはなるでしょうが、万全にできるとは限らないのです。

ポストを塞がないようにする

ポストを塞がないようにすることも重要です。

玄関アプローチ兼駐車場の場合、ポストの配置を間違えると郵便の受け取りに支障が出るからです。

例えば、郵便物の受け取りの利便性を考慮して玄関ドアの近辺にポストを配置した場合、ポストが車の陰に隠れることがあります。

また、植栽の配置を誤ってしまうと、ポストの周囲で生い茂ることにもなり、ポストを塞ぐことにもなるので注意が必要です。

防犯性への配慮を忘れない

防犯性は住宅全体で検討するべきで、玄関アプローチや駐車場だけで考えるべきではありません。

また、弱い部分であっても補わなくてはいけません。

例えば、前述の暗がりが出来そうな場合には、ライトやカメラ以外にも防犯手段を考えましょう。
窓を防犯性の高いタイプにする、窓シャッターを設置するなどの手段が防犯対策となります。

それ以外にも、窓や玄関ドアに設置する防犯グッズも有効な防犯手段なので、併用して防犯性を上げましょう。

暗がりができないようにする

暗がりができてしまうと防犯の面で問題が出て来ます。
玄関アプローチ兼駐車場を考える場合には暗がりができないように注意をしなければいけません。

これは、暗がりが不審者の隠れ場になってしまうからです。
特に、窓まわりに暗がりができそうな場合には、窓を破られるリスクが高まるので注意が必要なのです。

対策としてはセンサーライトやカメラの設置がありますが、車の陰になってしまうと検知や撮影も難しくなります。

転倒のリスク対策をする

玄関アプローチ兼駐車場は通路も兼ねています。

玄関アプローチは路面の安全性を確保しなければいけません。
特に気を付けるべきなのは転倒のリスクです。
お年寄りの場合は骨折のような大ケガにも繋がり得るので注意が必要なのです。

現場によっては防滑処理など必要となります。
例えば、タイルなどは雨水で濡れてしまうと滑りやすくなりますので対策の必要性は増します。

雑草対策をする

雑草対策は美観を維持する上で非常に重要な課題です。
玄関アプローチ兼駐車場も例外ではありません。

具体的な手段としては、コンクリート舗装や石材やタイルの活用などです。
草が生えない素材を使うことが必要となるでしょう。

コストに注意

玄関アプローチ兼駐車場はコストダウンに有効です。

しかし、それが完全なコストダウン対策とは言い切れません。
仕様を誤ってしまうとコストが膨らんでしまい、資金計画を超えてしまうのです。

そのようにならないためには、発生するコストが資金計画を超えないようにしなければいけません。

資金計画に余裕を持って、発生する費用の計算精度を高めましょう。

あまり物を置かないように

前述のように、玄関アプローチ兼駐車場は避難経路としても重要な役割を持っています。
また、ユーティリティスペースの役割もあります。

そのためには「物をあまり置かないこと」が必要です。

物を置いてしまうと通路を阻んでしまうため、避難経路としてもユーティリティスペースとしても使用が難しくなります。
安全性にも関係する問題なので十分に気を付けましょう。

おすすめのおしゃれな素材

玄関アプローチ兼駐車場に使えるおすすめのおしゃれな素材

駐車場の路面の仕様は砂利やコンクリート舗装以外にもいくつかの仕様が考えられます。

そして、それらの素材には組み合わせ次第でおしゃれになるケースも少なくありません。

ここでは路面を飾ることが可能なおしゃれな素材を紹介します。

タイル

タイルは強度が高くて表面の美しい資材です。

また、色のバリエーションも豊富なため、様々な表情を持つ路面を作れます。

ただし、強い衝撃が加わると割れることがあったり、雨水で表面が滑りやすくなったりするデメリットも存在します。

レンガ

レンガは独特の色を持つ素材です。

エクステリアの資材として多くの場所に使われています。
そのため、コーディネートもしやすいメリットがあります。

また、レンガはタイプによって色調が異なりますので、変化に富んだ路面を作ることが可能です。                                                                                        

ただ、レンガは吸水性のある素材なので、乾燥させないで放置すると苔が付く場合があります。

石材

石材は大きなものから小さなものまで揃ったバリエーションが豊富な素材があり、路面にもよく使われます。

また、タイルやレンガなどとの相性も良く、複数の素材を組み合わせて使うのもおすすめです。

石畳の雰囲気を出しやすいので、味のある外構ができるでしょう。

枕木

枕木は独特の風格を持つ素材です。
他の素材とは全く異なった味わいを持っています。

当然ながら、玄関アプローチ兼駐車場にも相性が良く、味わい深い外構を作ります。

また、枕木はレンガなどの違った素材との相性も抜群です。
特に、レトロな雰囲気を出すのに向く素材です。

玄関アプローチ兼駐車場と一緒に欲しいアイテム

ここまで玄関アプローチ兼駐車場について述べましたが、ここに別なエクステリア製品を設置するとさらに上質なスペースとなります。

そこで、ここでは玄関アプローチ兼駐車場と一緒に欲しいアイテムを挙げてみましょう。

カーポート

カーポートは簡易的な屋根にはなりますが、雨に濡れずに車に乗り下りできるので非常に便利です。

また、玄関アプローチ部分の屋根にもなりますので、雨の日の帰宅時などには重宝することでしょう。

現場の条件にもよりますが、縦連棟が可能なので長いアプローチであっても対応はできます。

ちなみに、カーポートには側面パネルもあります。
プライバシー保護に役立つアイテムなのですが、玄関アプローチ兼駐車場においても有用です。

隣家に近い場所であればプライバシー保護に役立つでしょう。

カーポートバルコニー

カーポートバルコニーはカーポートの屋根の上にバルコニーのスペースを作ったものです。
子供の遊び場にしたり、読書を楽しんだりするユーティリティスペースとして使えます。

カーポートバルコニーは玄関アプローチ兼駐車場においても設置は可能です。

また、駐車場の上がユーティリティスペースになるので、生活空間が非常に広がります。

都市部などでは子供の遊び場に苦慮することが少なくありません。
カーポートバルコニーを使えば子供の遊び場が増えます。

テラス屋根

テラス屋根はカーポートと同様に玄関アプローチ兼駐車場の屋根になります。
雨の日であっても濡れずに車に乗り下りできます。

また、テラス屋根もカーポートと同様に連棟が可能です。
長いアプローチでも対応は可能です。

他にも、テラス屋根は出入り隅などの特殊納まりがあります。
カーポートでは難しい納まりに対応可能な場合もあるので、屋根を考える際には一緒に考えるとベターでしょう。

機能門柱

機能門柱はポスト、照明、表札を搭載したポールで、特にオープン外構に用いられます。

機能門柱も玄関アプローチ兼駐車場にマッチするアイテムです。

ただし、機能門柱は設置する位置に注意が必要です。
来客や郵便配達の妨げにならないようにすることがポイントです。

宅配ボックス

宅配ボックスも機能門柱と同様に玄関アプローチ兼駐車場にマッチするアイテムです。
宅配便の受け取りに便利です。

ただ、宅配ボックスは設置場所に気を付けなければいけません。
宅配物は時として重量があるものなので、郵便物のように玄関から離れても良いものではないからです。

可能な限り、宅配ボックスは玄関に近い場所に置きたいものです。

そのためには玄関アプローチ部分の広さの検討も必要となるでしょう。

照明器

玄関アプローチ兼駐車場は狭い場所に作られるケースが多いです。
そのため、照明器の重要性は他の外構形態よりも増します。

照明器は安全性のみならず、景観の美化、防犯性にも関係するからです。

安全性の面では夜間に帰宅した際の安全確保があります。
景観においてはエクステリアのライトアップにも使えます。
防犯に関しては暗がりを作らない点で有効なのです。

ちなみに、照明器は機能門柱などに付いているから必要ないという判断もありますが、足元の安全確保などを考えると機能門柱などとは別途に必要となるでしょう。

防犯グッズ

住宅は防犯性の確保が非常に大切です。

そのために玄関アプローチ兼駐車場の工夫も必要なのですが、それで完全とは言えません。
センサーライトや防犯カメラなどとは別途に防犯グッズがあった方が良いです。

例えば、防犯砂利や炎センサーなどがあります。
防犯砂利は侵入者の踏みしめる音が大きく、その侵入を家人に知らせます。

また、炎センサーは離れた場所の炎の検知が可能なため、放火を未然に防ぐことができます。

まとめ

玄関アプローチ兼駐車場について取り上げました。

どのようなアプローチであるか、どのような駐車場であるかについて把握できたことでしょう。

また、施工についても挙げたので、どのような点に気を付ければ良いかもイメージできたのではないでしょうか。

注意点はありますが、外構作りはアイデア次第でバリエーションが非常に増えます。

デザインと機能を盛り込んだ玄関アプローチ兼駐車場を作ってみてはいかがでしょうか。